ミニ・レビュー
21枚目のシングル。サウンドも演奏力もキャリアも強固。まったく揺らぐところがない。こういうバンドはえてしてシングル曲の意味が不明瞭になりがちだが、彼らはポップということをわかっている。重厚な全体像の中で浮遊する、不協和音っぽいギターが印象的。
ガイドコメント
長田進プロデュースによる、GRAPEVINEの21枚目のマキシ・シングル。日本のロック・シーンの中で着実に人気と地位を獲得している彼らの魅力が詰まっている。独特な歌い回しと重厚なサウンドがたまらない。
収録曲
01超える
セッションで仕上げた、瑞々しくフレッシュな雰囲気のギター・ポップ。重量感のある垢抜けたギター・フレーズとまっすぐな感情をぶつけた詞が、爽やかな純情を感じさせる。即興ならではのリズム感や演奏技も面白い。
02また始まるために
デビュー11年目に突入した彼らが、新しい始まりについて考えたミディアム・ギター・ポップ。ドラムやベース、ギターがそれぞれに個性を発揮。リズムやメロディを刻々と変化させ加速していく構成が斬新。
03エレウテリア
しっとりと官能的で、ほのかに物悲しいメロディに癒されるミディアム・ギター・ポップ。ギリシア語で“自由”という意味を持つこの曲は、アレンジにも趣向を凝らし、美しく詞的な情景観を漂わせる。エモーショナルなギター・リフが秀逸だ。