ガイドコメント
ソロとしては5枚目となるアルバム。2007年8月からの4ヵ月連続リリース・シングルをすべて収録した、ファン必携の一枚だ。ヴィジュアル、パンク、ロックなどにカテゴライズされない、新しい表現法があふれている。
収録曲
01receive a revelation
02予感
父の死に直面した心情をうかがわせる詞がヘヴィなロック・サウンドに絡みながら、圧倒的な説得力を持って迫ってくる。ヴォーカルが激しくなればなるほどに、言葉が映し出す切なくて悲しい彩り。重たいナンバーだ。
03confusion
混沌とした想いがミクスチャーの音に姿を変え、感情の粒子を拡散する。サウンドを牽引するソリッドなギターが生み出す疾走感と粘り着くようなダークネスの交錯。清春らしい世界観を構築したロック・チューンに仕上がっている。
04愛撫
ドラマティックに、そしてヘヴィに展開するロック・チューン。4ヵ月連続リリースの最後を飾ったアルバム『FOREVER LOVE』からシングル・カットされたナンバーで、愛の深さ、強さを体感させてくれるヴォーカルが熱く胸に響く。
05note
闘病生活を送っていた父への想いをストレートに表現したナンバー。歌詞にも父の言葉が引用され、強く印象に残る。淡々としたフォーク・テイストのサウンド、シャッフルのリズムに乗せた清春のヴォーカルは、悲しげに揺れている。
06妖艶
タイトルそのままにディープで妖しげな世界を提示するコア・チューン。退廃的で絡みつくようなヴォーカルが生み出すグルーヴ。その心地よくも重たく深いうねりに身をゆだねつつ、独特の雰囲気にどっぷりと浸かりたい。
07TATTOO
08allow
テンポ感のあるシャッフルのリズムに乗った色気のあるヴォーカル、そしてレトロでデカダンスなサウンド・スケープ。その世界観はやはり父の死が影を落としていて、父が溺愛していたという清春の娘にも触れた一節が歌詞にもある。
09輪廻
アルバム・レコーディング中に父が他界したが、この曲には間に合い、その耳に届いた。清春が伝えたかった普遍の愛を、よどむことなくストレートに表現したエモーショナルなロック・チューン。4ヵ月連続リリースの第2弾となったシングル。
10空白ノ世界
たぶんそれは死が確定された彼の父の目から見えた風景。あまりにプライヴェートでディープすぎる世界観だからこそ、胸に響く普遍性を持ち合わせ、聴き手の心を切なく染め上げる。切迫感のあふれるロッカ・バラードだ。
11ever
アフター・ビートでスカっぽい雰囲気を持った、どことなく明るいサウンド・デザイン。清春と父の関係性を知らずとも、完成度の高い楽曲だとわかる。だが清春の父に対する愛情を理解することで、より想いの核心に触れることができる。
12MELODIES
13Lorelei
熱い衝動と退廃が入り混じったスピード感のあるアッパー・チューンで、“Lorelei”のフレーズがノリよく踊る。よりセクシーでパンキッシュに迫るヴォーカルは、アグレッシヴで高いテンションを保ち、聴き手をグッと引き寄せる。
14PHANTOM LOVER