ミニ・レビュー
伊藤ゴローのプロデュースによるデビュー25周年記念作。鈴木慶一、高橋幸宏、くるりなど、多彩なゲストを交え、涼やかでお洒落な知世ポップスを聴かせる。代表曲「時をかける少女」は軽いボサ・ノヴァ・タッチでカヴァーしている。
ガイドコメント
原田知世のデビュー25周年記念アルバム。「時をかける少女」のセルフ・カヴァーやザ・ビートルズのカヴァー、兄弟バンドのキセルが提供したナンバーなどを収録。歌手としての“これまで”と“これから”を繋ぐ作品となりそうだ。
収録曲
01Cruel Park
2007年にデビュー25周年を迎えた、アニバーサリー・アルバム『music&me』のオープニングを飾る、上質で上品なポップ・チューン。しっとりとした透明感のある彼女のヴォーカルが、胸にスッと染み込んでくる。
02色彩都市
大貫妙子の作詞・作曲による、ファンシーで幻想的なポップ・チューン。ゆったりとしたリズムに乗るほのぼのとしたメロディが心地よい。どっしりとしたコントラバスと、しなやかなチェロやヴァイオリンとの絡みが絶妙。
03きみとぼく
表情豊かなアコースティック・ピアノの音色と少女のように純粋な響きを持った彼女のヴォーカルのハーモニーが、ため息が出るほど美しい洗練されたポップ・チューン。聴くたびにやさしい気持ちにさせてくれるハートフルな一曲。
04Are You There?
稀代のソングライターであり名プロデューサーでもある、バート・バカラックの名曲をキュートにカヴァー。本作で初コラボレーションを果たした高橋幸宏の手による、デジタルとアナログのバランスが絶妙なアレンジにも注目。
05I Will
デビュー25周年記念アルバム『music&me』に収録された、ビートルズのカヴァー・ナンバー。ジョンとポールの競作による珠玉のメロディが、彼女のキュートでノーブルなヴォーカルと融合し、美しい相乗効果を見せている。
06Wonderfull Life
オニキユウジの作詞・作曲による、耳あたりの良さが抜群のポップ・チューン。ギター、ベース、キーボードらによるシンプルなサウンド・アレンジと、彼女の無機質っぽいヴォーカルが絡まり、洗練された上品な作品に仕上がっている。
07菩提樹の家
ムーンライダースの鈴木慶一が詞曲を手掛けた、キュートでファンシーでノスタルジックなポップ・チューン。けだるいフルートのリフレインと子守唄のようにゆったりとした美しいメロディが印象的。不思議な魅力を持った一曲。
08シンシア
デビュー25周年記念アルバム『music&me』に収録された、珠玉のポップ・チューン。彼女の代表曲の一つに数えられるキュートな名曲にジャズやボサ・ノヴァのフレイヴァを加えた、大人の雰囲気がたっぷりのカヴァーだ。
09Aie
スウェディッシュ・ポップやフレンチ・ポップのエッセンスを効かせた、お洒落でノーブルなナンバー。高木正勝の作曲による流れるようなメロディと田口晴香による不思議な語感の英詞が素晴らしい。アンニュイなヴォーカルも曲の雰囲気にピッタリ。
10ノスタルジア
ストリングスの幻想的なハーモニーと美しくも不思議な語感を持った詞が印象深い、キュートなポップ・チューン。彼女の少女のようにピュアで透き通ったヴォーカルもあいまって、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような気分。
11くちなしの丘
シンプルなアレンジと親しみやすいメロディが素晴らしいポップ・チューン。可憐さの中にひとかけらの憂いを含んだ彼女のヴォーカルは、ピュアでありながら深みに満ちている。ヴォーカリストとしての成長を実感できる一曲。
12時をかける少女
彼女が主演した同名映画の主題歌で、彼女の初期を代表する大ヒット・ナンバーを、24年の歳月を経てカヴァー。ゆったりとしたテンポやボサ・ノヴァ風アレンジにより、大人っぽい仕上がりになっているが、美しく透きとおった歌声は少女のままだ。
仕様
初回のみDVD付内容:くちなしの丘 (Original Video Clip)特殊紙パッケージ仕様