ミニ・レビュー
郷愁を帯びたメロディにストリングスを起用した、武部聡志プロデュースの10枚目のシングル。“ただいま”と“ただ、今”、ぎなた読みを用いた1曲目は、その言葉選びに圧倒的な個性があふれる。2曲目は、馬場俊英を招いたアップ・チューン。笑うように歌う、その技も巧み。
ガイドコメント
10枚目となるマキシ・シングルは、TBS系ドラマ『愛のうた!』の主題歌。家族愛をテーマにしたハートウォーミングなドラマを彩るにふさわしい、優しげで温かなヴォーカルが披露されている。
収録曲
01「ただいま」
“(ただいま、と)帰る場所を見つけたい”から、“帰る場所を見つけた”へと続くリリック。その主人公のドラマティックな心の動きをエモーショナルに綴るヴォーカルとストリングスが絡み合っていくくだりが美しい。
02どんでん返し
作曲に馬場英俊を迎えた、バンド編成によるアップ・チューン。積極的にアプローチしつつも、ちってしまった女子の気持ちを歌う。表面はコミカルなのに何故かホロリとさせる、その機微にうがつ言葉選びのセンスに脱帽。
03ひとりでに
武部聡志のピアノ演奏によるバラード。シンプルなアレンジゆえ、言葉と言葉の間がダイレクトに伝わってきて切ない。別れという悲しみを越えて得た救いのある詞が美しく、その歌声とともに静かに心に染みわたってくる。