ミニ・レビュー
Perfumeをブレイクに導くなど、一気に2000年代ポップ・シーンの寵児となった中田ヤスタカ(capsule)のプロデュースによるファースト・アルバム。キラキラとした光を放つエレクトロ・サウンドとアッパーにして切ないメロディ、フェミニンなヴォーカルが可愛く溶け合う。
ガイドコメント
モデルとしてもカリスマ的な支持を得ているMEGの、メジャー移籍第1弾アルバム。クラブ・ミュージック・ファンからJ-POPファンまでを巻き込むであろう、キュートでポップなエレクトロ作品だ。
収録曲
01甘い贅沢
何もいらない、ただ君といられたら……。キュートで切ない感情がしっかりと込められたキャンディ・ポップ・チューン。シンプルな4つ打ちビートと優れたコマーシャルなメロディが見事に一体化したサウンドは、プロデューサー・中田ヤスタカの真骨頂。
02IN YOUR EYES
ロマンティックなムードと洗練されたコード感を両立させた、高品質のミディアム・ポップ・チューン。ピアノを中心とした生感たっぷりの音像とガーリーなヴォーカリゼーション、現代詩を思わせるリリックのバランスも素晴らしい。
03GIRLY STEP
80年代後半のオーセンティック・ハウス・ミュージックの空気感をフィーチャーしたダンス・チューン。エフェクトされたヴォーカルやしなやかなビート感は、J-POPとクラブ・ミュージックの境界を軽々と越えていく。
04LOVE LETTER
あまりにも気持ちいいキック音にやられる、快楽的ミディアム・チューン。“恋愛の倦怠と穏やかな日常”をテーマにしたシンガー・ソングライター的なリリックと、ダンス・ミュージックとしての質を同居させるセンスが最高。
05dreamin dreamin
タイトルどおり、まるで夢のようなロマンティシズムをたたえたエレクトロ・ポップ。心地よい浮遊感としっかりしたダイナミズムを融合させたトラック・メイク、可愛くておしゃれなメロディが美しく溶け合っていく……ああ、気持ちいい。
06OK
YUKI、伊藤由奈、木村カエラなどに対する楽曲提供で知られる、蔦谷好位置の作曲によるエレ・ポップ。どこか懐かしい歌謡曲風のエッセンスを感じさせるメロディと近未来的ダンス・ビートの相性が抜群。フェミニンなヴォーカルもいい。
07MODEL
80年代のテクノを彷彿とさせる、フューチャー・レトロ感覚に満ちたクールなナンバー。徐々にハードコア感を増していく曲展開、ポエトリー・リーディングの手法を取り入れたヴォーカル・アレンジなど、実験的要素もたっぷり。
08ROMANTIKA
リズミックに跳ねまくるトラック、起伏に富んだメロディの上で、日常のなかにあるロマンティシズムを描き出すアッパー・ポップ・チューン。作曲を手掛けているのは、中田ヤスタカの盟友ともいえるクリエイター、nishi-ken。
09LOVE LETTER (ajapai remix)
2ステップを中心にカラフルなダンス・ミュージックを自在に操るクリエイター、ajapaiによるリミックス。繊細に構築されたリズム・アンサンブル、歌とメロディをしっかりとキープすることで生まれるポップ感が気持ちいい。
10GIRLY STEP (CLAZZIQUAI PROJECT remix)
m-flo、ファンタスティック・プラスチック・マシーンなどとのコラボレーションでも知られるグループ、クラジクワイ・プロジェクトによるリミックス。硬質のトラック、エレクトロニカ〜テクノ〜ラウンジなどをナチュラルに融合した音像がステキ。