ミニ・レビュー
クラブ・シーンに衝撃を与えたデビュー作『BEAUTIFUL』。彼のセカンド・アルバムである本作は、“カワサキ・ビート”と呼ばれる卓越したリズム・パターンと、ソウルフルな感性が相まったジャパニーズ・ハウスの新次元。ゴードン・チェンバースはじめゲスト陣も華やか。
ガイドコメント
ハウス・シーンに伝説を作り出す、DJ KAWASAKIの2ndオリジナル・アルバム。美しいメロディと独自のリズム・トラックで、ハウス・シーンに大きな影響を与える彼の、エモーショナルかつメロディアスなサウンドが楽しめる。
収録曲
01INTRODUCTION
美しく端正なメロディ・ラインとジャジィに洗練されたアレンジが、スタイリッシュなピアノ・バラード。憂いを帯びたピアノの繊細な演奏の背後に流れる揺らめくような効果音が、宇宙空間に迷い込んだような不思議な音世界を作っている。
02YOU CAN MAKE IT (feat.Tasita D'Mour)
UKソウル界のタシータ・ドムールをヴォーカルに起用したディープ・ヴォーカル・ハウス。色っぽくシルキーな歌声とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のキリル・コバンチェンコのヴァイオリンが、気品あふれるソウルネスを作っている。
03BECAUSE OF YOU (album mix) (feat.Heather Johnson)
ストリングスやピアノの生音が、美しくも切なく胸に迫るアーバン・ハウス・チューン。彼の本領ともいえる、技巧を凝らした白熱のピアノ・ソロも聴かせてくれる。ヴォーカルはアナンダ・プロジェクトのヒーサー・ジョンソンが担当。
04ELEVATE YOUR MIND (feat.Tasita D'Mour)
“エモーショナル&ドラマティックな曲を作るよう心掛けた”というナンバー。サックスの華やかな音と歌心あふれるダンス・グルーヴ、そして艶やかな女性の歌声がソウルフルだ。ヴォーカルは可愛さと力強さを持つタシータ・ドムール。
05PLANETARY TRACK
テクノ・サウンドを取り入れ、彼の新たな方向性を示したテクノ・インストゥルメンタル。技巧的に打ち込まれる鮮やかなミニマル・ビートを背景に、キーボードの温かみのある演奏と各所に現れる冒険的な音遊びが彼らしい。
06SO FAR AWAY
清涼感を漂わせる切ないピアノ演奏を中心に置いた、スタイリッシュなハウス・インストゥルメンタル。ラウンジ感覚に満ちたシンプルなメロディのようで実は高度なピアノの演奏技術が随所に差し込まれているのも、粋にしてクール。
07IT MAKES ME FEEL LIKE DANCIN' (feat.Carolyn Harding)
ハウス・ガラージの伝説的シンガー、キャロライン・ハーディングが参加した、華やかなファンキー・ハウス・ナンバー。80年代のニューミュージックをハウス風に変えたようなメロディが親しみやすい。軽快に響くビートも爽快。
08BELIEVE (feat.Gordon Chambers)
甘くスムースなゴードン・チェンバースの歌声が映える、美しく華麗なダンス・クラシックス。SWING-Oの都会的な雰囲気を持つキーボードが、しっとりと魅惑的な音世界を作っている。サックスの鮮やかなフレーズも刺激的だ。
09COSMIC LULLABY
“宇宙の子守唄”と名づけられた、浮遊感漂うハウス・インストゥルメンタル。ストリングスの優しくたおやかな音色を前面に出しつつ、緩やかなダンス・ビートを取り入れた構成が巧み。子守唄の安らぎと宇宙の神秘を融合させているよう。
10BRIGHT LIKE LIGHT (album mix) (feat.Lena fujii)
モデルの藤井リナをヴォーカルに起用した、メロディアスなエレクトロ・ハウス。甘くキュートなリナの歌声がダンサブルなエレクトロ・ビートと重なり、洒落た雰囲気を作っている。メロディの強さとポップな音作りに重点を置いている。
11MELODY (feat.Karin)
シンセサイザーを多用した清々しいメロディと鼓動のように響く低音ビートが心地良いミディアム・ヴォーカル・ハウス。ゴスペル経験を持つカリンの伸びやかな歌声が、爽やかでありながら深みのある音の世界を作っている。