ミニ・レビュー
ハロプロ系フットサル・チームの1作目。女性の恋愛に対する直情的な思いを歌ったナンバーが中心。一方でスポーツ・ウーマンらしさ全開の先行シングル2、6曲目は、前向きな詞が力強い。ヴォーカルに切れ味がありスカッとさせられ、歌でもチーム・ワークを発揮した一枚。
ガイドコメント
ハロープロジェクト!のフットサル・チーム“Gatas Brilhantes H.P.”の中から選抜されたメンバーによるユニット、音楽ガッタスの1stアルバム。ヒット・シングル曲などを含む、パワーあふれる一枚だ。
収録曲
01抱きしめて…涙
恋の終わりについて歌ったナンバー。つんく♂色に染まった歌謡ロックなメロディと凝ったコーラスが耳に残る。もう彼との思い出は増えないという、悲しい現実を受け入れなければならない心の焦りを思わせるサウンドが切ない。
02お先にすんずれい
人生に前向きな心意気を歌ったナンバー。“先制攻撃”“勝負”“逆転”などポジティヴな言葉が散りばめられたリリックと、スポーツウーマンらしい爽やかさに満ちたヴォーカルが瑞々しい。エネルギッシュな活力を与えてくれる曲だ。
03鳴り始めた恋のBELL
“燃えるような恋をしようぜ”と煽るダンス・ナンバー。叱咤激励を含んだ男女おのおのへのメッセージを、力強いチーム・ワークで歌い上げている。デジタル・サウンドと一線を退いた間奏のギター・プレイも、気分を高揚させる。
04青春のカスタード (吉澤ひとみ、里田まい)
トランペットやサックスなど管楽器を多用した、スカ調のダンサブル・チューン。自分は彼に愛されているのか……その懐疑心を綴ったリリックと心で渦巻く感情がこもったサウンドがマッチしている。つんく♂がコーラスで参加。
05心の谷間 (能登有沙、真野恵里菜)
人を愛する気持ちを飾らぬ言葉で歌うミディアム・ラヴ・ソング。会えることが何よりも嬉しいという、純な思いがストレートに伝わるキュートなヴォーカルが魅力。曲全体をソフトに仕上げるコーラスも美しい。
06やったろうぜ!
つんく♂&ダンス☆マンのコンビによるアゲアゲなナンバー。心躍るホーンの音色とにぎやかなコーラスや掛け声とで計算尽されたサウンドが、最高に楽しい。欝憤を晴らすような行動的なリリックも、前向きに背中を押してくれる。
07地球と月 彼と私 (石川梨華、紺野あさ美、仙石みなみ、澤田由梨)
彼と私の関係性を“地球の暗闇を照らす月明かり”という比喩で表現し、言葉では言えぬ積極的な心の内側を綴る。芯の強さを感じさせるヴォーカルは、昨今の曖昧で男らしさを喪失した男性陣へ“しっかりして”とメッセージを送っているよう。
08カラゲンキ (吉澤ひとみ、石川梨華、里田まい、紺野あさ美)
失恋の傷心を歌ったナンバー。大御所・三浦徳子による詞は、落ち込んだ時でも明るく振舞ってしまうもの悲しさを、女性目線からリアルに伝えている。哀愁を帯びたサウンドも、やるせない気持ちを代弁しているかのようだ。
09恋占い通りにはならないわ (是永美紀、能登有沙、真野恵里菜、仙石みなみ、澤田由梨、武藤水華)
出会いのチャンスにおいて一歩勇気を踏み出せない自分自身への思いを歌った、はたけ作曲のナンバー。神頼みの部分と積極性を自らに促す部分とで混沌とした感情を、シリアスな空気を漂わせたヴォーカルが歌い上げる。
10キスしよう (石川梨華、紺野あさ美)
恋愛の幸福感を歌うマイナー調のナンバー。アダルティな味付けのサウンドとメロディだが、石川と紺野のヴォーカルはその世界観にきっちり追いつき、相乗作用で色気すら漂わせている。表現者としての広がりを感じる。