ガイドコメント
結成20周年を記念した2種のベスト・アルバムの内の1枚。「ALONE」「OCEAN」などのヒット・シングルはもちろん、「BAD COMMUNICATION」「Pleasure」の再録ヴァージョンも収録されている。
収録曲
[Disc 1]〈The First RUN〉
01BAD COMMUNICATION (ULTRA Pleasure Style)
ブレイクのきっかけとなった名曲を、20周年記念のベスト盤『〜ULTRA Pleasure』のために再録したヴァージョン。オリジナルと同様にシンセが特徴的だが、イントロのギター・リフをはじめ、細部にアレンジが施されている。
02BE THERE
スーツでビシッと決めた二人が並ぶジャケットも懐かしい、90年、超初期の4thシングルは、どこか昔のTM NETWORKなどを思わせる、デジタルなビートも時代性を感じさせる。ちょっと無機質に歌う稲葉の声に逆にクールさを感じてぐっときたりして。
03Easy Come、Easy Go!
初期B'zを代表する、90年リリースのミディアム・ポップ・ナンバー。日本語に訳せば「悪銭身につかず」なんていうタイトルだが、“気楽にいこうぜ”という気持ちも込められているよう。カメリアダイヤモンドのCF曲に起用され、一気に注目を集めた。
04LADY NAVIGATION
これぞB'z、な夏っぽさ全開の初期代表曲。ユーロビートの曲調、限りなくセクシーなヴォーカル、そこに絶妙に絡んでいくメタリックなギター。バブルの香り漂うダンサブルなサウンドが懐かしいくらいだ。
05ALONE
91年リリースの8thシングルで、初期を代表するバラード。孤独をテーマにしながらも、前向きで力強い歌詞とそれを歌うハスキーな稲葉の声、そして松本の泣きのギターに胸を打たれる。
06ZERO
タイアップなしでもミリオン・ヒットとなった92年発売の11thシングル。基本的にメロディアスな路線は変わらないが、メタリックなギターが炸裂するハードなロック・ソング。“今会いたいすぐ会いた〜い”に心を鷲づかみにされる婦女子多し。
07いつかのメリークリスマス
92年冬にリリースされたコンセプチュアルなミニ・アルバム『Friends』の中でも、特に切ないミドル・テンポのバラード。アコースティックなギターの響きに乗せ、恋人との過去の思い出を愛しむような、とても美しいナンバーだ。
08愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
長い長いタイトルに誰もが驚きつつ、さすがと思わされた、93年発表の12thシングル。サビ部分でヴォーカルにあわせ鳴り響くシンセのサウンドがちょっと時代を感じさせるが、タイトルそのままの詞の後に続く“僕は君だけを傷つけない〜”が印象的。
09裸足の女神
93年、TOYOTA「カローラ レビン」のCFソングになった、ユーロビートでも激しいロック・サウンドでもない、爽やかで聴き心地のよいポップ・ロック・ソング。恋に破れた時、あるいは勇気を持ちたい時に聴くと元気が出てくる、優しい歌詞がたまらない。
10ねがい
95年の16thシングル曲。ピアノで刻まれるリズム、シンセで広がりを持たせたサウンド、流麗なギター。実にB'zらしい曲だが、メロディが、素人でもすぐに歌いたくなるくらいすっきりしていてわかりやすい。迷ったり願ったりする“フツウ”の男の姿が描かれた歌詞に、共感を覚えること必至。
11love me、I love you
TVドラマ『柊叉三郎』の主題歌となった、95年発売の17thシングル。“メタル・ギター・サウンド・ミーツ・ユーロビート”が得意技だった彼らが、R&Bのテイストを取り入れたサウンドを聴かせ、そのルーツ、音楽性の広さを感じさせてくれもした。ストレートに愛を歌った詞も魅力。
12LOVE PHANTOM
『X-FILE』という超話題のドラマのタイアップ曲。ドラマの内容にリンクするというよりは、“愛の幻”というタイトルからしてB'zらしい、ノリの良いロック曲。シンセとギターが絡み合い広がっていくサウンドの中で、グワッと盛り上がっていくヴォーカルが気持ちいい。
13ミエナイチカラ〜INVISIBLE ONE〜
アニメ『地獄先生ぬ〜べ〜』のエンディング曲。ノリノリのユーロビート期を過ぎた96年のこのシングルは、ギターが激しくかき鳴らされるわけではもない。ごく普通のミドル・テンポの曲だ。でも、自分を、そして周りの人を勇気づける言葉と重なって、強く、心に訴えかけてくる。
14Calling
松本が知り合いの結婚式のために書いた曲をベースにしたとされるラヴ・ソング。ピアノの弾き語り風の部分と、グラマラスなギター&壮大なストリングスが絡むサビとの対比が印象的だ。テレビ朝日系ドラマ『ガラスの仮面』主題歌となった97年のシングル。
15さまよえる蒼い弾丸
98年発売のポカリスエットCMソングになった、爽快で勢いのあるロック・ソング。ラヴ・ソングが得意に思える稲葉だが、こういう世情を意識したわりと攻撃的な歌詞もめちゃくちゃいい。聴くうちに、やるぞ!と思わされる元気の出る曲だ。
[Disc 2]〈The Second RUN〉
01HOME
どこか物悲しさの残る曲調に、稲葉浩志の鋭く尖ったハイトーン・ヴォイスがゆったりと溶け込み、歌詞の持つ寂しさや悲しさが胸を締めつける。そして、アコースティック・ギターが淋しく響き渡るメロディには、今までのB'zにはなかった新たな風を感じさせる。
02ギリギリchop
切れ味ある松本孝弘のギター・テクニックが全面に押し出された絶妙な楽曲。歌詞からはどんな困難も逆手にとり、追い込まれてこそ出る底力を粗々しく表現している。
03今夜月の見える丘に
愛を訴えかける歌を歌わせたら日本で指折りな稲葉だからこその、力強いバラード。キムタクと常盤貴子が出演したドラマ『ビューティフルライフ』の主題歌としても注目を集めた、27thシングル。11thアルバムにはアコースティック・ヴァージョンで収録。
04juice
近年のB'zはバンド感の強いサウンドを聴かせ、それはハード・ロックっぽかったりアメリカン・ロックっぽかったりするのだが、この29thシングルもやはりそんな骨太なロック・ナンバー。エアロスミスなども彷彿とさせる。
05ultra soul
2002年リリースの31thシングル(12thアルバム『GREEN』に収録)。「世界水泳福岡2001」大会公式のテーマ・ソング。ギター+シンセの絡みの気持ち良さがやはりB'zらしい。“ウ・ル・ト・ラ・ソウル!”と弾けていくサビのラストが爽快な夏らしい曲。
06熱き鼓動の果て
2002年リリースの33枚目のシングルは、爽快、痛快なロック・サウンドが気持ちいい、夏を思わせる歌だ。もちろん松本のギター・ソロが冴えており、ライヴで拳を突き上げる姿が目に浮かぶよう。「TV ASAHI NETWORK SPORTS 2002」テーマ・ソング。
07IT'S SHOWTIME!!
デビュー15周年を記念した2003年、11枚同時リリースのシングルの先頭に立ち、30作連続となる初登場1位を獲得したシングル。疾走感あふれる、痛快、爽快なロック・サウンドのナンバーだ。メタリックなギター・ソロがかっこいい。
08BANZAI
ソロ活動全盛期の2004年にリリースされた数少ないシングル。ビールのCFソングになっただけあって、ほんとに爽快な、アメリカン・ロックを感じさせる男らしいサウンドの曲。サビ部分最後でのシャウトの男臭さがライヴ感を漂わせる。
09愛のバクダン
「一般のバンドでも簡単に演奏できるように」と制作された、シンプルかつキャッチーなポップ・ナンバー。アコースティック・ギターのコード・ストロークとハードかつ小技の効いたエレクトリック・ギターの絡みは爽快感満点。アルバム『THE CIRCLE』からの先行シングル。
10OCEAN
フジテレビ系ドラマ『海猿』の主題歌となった壮大なラブ・バラードの、アルバム『MONSTER』に収録されたリミックス・ヴァージョン。オリジナルよりもエレクトリック・ギターを強調し、ハード・ロッカーとしてのB'zを再認識させるかのような仕上がりとなっている。
11衝動
アニメ『名探偵コナン』のオープニング・テーマ。突如顔を見せる転調した表情が、楽曲に刺激的な起伏を与えていく。作品自体はB'zの持ち味が遺憾なく発揮された、躍動感とドライヴ性満載の激烈ロック・ナンバー。
12SPLASH!
ねっとりとしたファンク調のヴァースから、B'zの王道ともいえるフレーズが光るサビへの流れがドラマティックな、16ビートのダンサブル・チューン。性的な隠喩がたっぷりと盛り込まれた歌詞はエロティックかつユーモラス。
13永遠の翼
珠のように連なるピアノから始まるバラードで、静謐なヴォーカルとメロディは、愛する人を守るために大空に散っていった若者たちへのレクイエム。特攻隊の青春を描いた映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』の主題歌。
14SUPER LOVE SONG
タイトでパワフルなギターとドラムが炸裂するビート・ナンバー。愛の相乗効果を信じて同じベクトルを持ったら無敵と、愛することの素晴らしさを真正面からダイナミックに歌い上げた、まさにスーパーなラヴ・ソング。
15Pleasure 2008〜人生の快楽〜
91、95、98、2000、2003年ヴァージョンが存在する、ベスト盤『〜ULTRA Pleasure』収録の2008年版。毎回、2番の最初に登場する“あいつ”の人生の変遷を歌う部分だけ歌詞が変化。本ヴァージョンでは離婚を経てよりを戻すことを匂わせている。