ミニ・レビュー
テーマは“黒”でも、ポップさと爽やかさを湛えてメロディが輝くJ-R&B。アッパーなダンスものあり、表題曲ではジャジィなハーモニーで迫る。『BLUE』からたった半年のインターバルで届いた、男性4人組コーラス・グループのアルバム。EXILEのATSUSHIプロデュース。
ガイドコメント
前作とはテーマが異なる、R&Bとソウル・ミュージックのエッセンスをふんだんに取り入れたアルバム。プロデュースはEXILEのATSUSHI。COLORらしいスームス&アーバンな雰囲気に満ちた一枚だ。
収録曲
01mic check intro
3rdアルバム『BLACK』の冒頭を飾るイントロダクション・トラック。カニエ・ウェスト風の早回しトラックの上でクールなラップに見立てたマイク・チェック風フロウを被せたのは、気鋭のトラックメイカー、STYの仕事だ。
02Night for you
R&Bコーラス・グループの矜持をサラッと呈示するかのような約1分弱のトラック。短い尺ではあるが、濃厚で妖艶な夜の雰囲気を存分に漂わせるのに充分なコーラス・ワークが聴ける、メロウなR&Bナンバーとなっている。
03Midnight call
STY制作による通算9枚目となるシングルは、互いに募る気持ちを繋ぐ真夜中の電話をテーマにしたミディアムR&B。男女のラヴ・アフェアを歌ってはいるが、爽やかなコーラスを強調したアレンジによっていやらしさを感じさせない作りとなっている。
04X-GIRL
一度は失った“元カノ”への再び湧き出した想いを綴ったミディアムR&Bチューン。コーラス・パートのファルセットとキラキラとしたサウンド・エフェクトが、元カノへと加速させる気持ちの高揚感を絶妙に描写している。
05BUDDY (feat. J Soul Brothers)
EXILEファミリーともいえるJ Soul BrothersをフィーチャーしたミディアムR&B。苦労をともにしてきた良き友、良き“相棒”とこれから先も歩み続けるという強い意志を、巧みなコーラス・ワークで披露している。
06Call My Name
美メロにとろけるような甘いハーモニーを乗せたメロウなミッド・スロー。“君の声で僕を呼んで”というレディス・キラーなフレーズが極上ブラコン・サウンドと抜群の相性をみせている。日本テレビ系ドラマ『課長島耕作2-香港の誘惑-』挿入歌。
07night interlude
3rdアルバム『BLACK』の中盤に配された1分強のインタールード。本アルバムで多くを手掛けるSTYが、ムーディでミステリアスな雰囲気の展開の上に雷雨やスペーシーな効果音を加えることで、妖しい夜を表現している。
08Just a Little Bit
大切な女性を失った後の男性の後悔と虚無感を歌ったメロウ・バラード。甘いコーラスが響くのとは対照的に、爪弾かれる弦の余韻が、もう取り戻せない過去と孤独な現在の到来を切なく映し出しているようだ。
09What about us Pt.2
グルーヴィなギター・リフが軽快なアップ・ビートを引っ張るファンキーR&B。溶け込みやすいライトなサウンドの上で、運命的な出会いが起こった一夜を歌っている。EXILEのATSUSHIが作詞とヴォーカルで参加。
10S.S.D. (feat.TO-C (Warp-generation))
EXILEファミリーであるワープ・ジェネレーションのMC、TO-Cのラップ・パートをフィーチャー。つい微笑んでしまうような愛を語らうラヴリィな内容で、サマー・クルージングにフィットしたポップなR&Bにまとめあげている。
11ain't so easy
幾度もすれ違いの恋をした男は、いまでも女性への想いを忘れられず胸に刻み続けて……。切ない恋のループに悩む男の心境を綴ったミディアムR&B。琴線をくすぐるような起伏ある甘いコーラスが爽快感さえもたらす佳曲だ。
12share wit'me
ディグズ・グループ所属のトラックメイカー、HIRO制作によるミディアム・スロー・バラード。美メロに甘いコーラスとラヴ・ソングと、一見甘さ過多にも思えるが、安定した歌唱とトラックメイクによって質の高さを保つことに成功している。