ガイドコメント
2008年9月発表の8thフル・アルバム。カネボウのCMでもおなじみのシングル曲「フォノスコープ」やTVアニメ『xxxHOLiC◆継』の主題歌「NOBODY KNOWS」などを収録。ファンクを中心に多彩な曲世界が広がっている。
収録曲
[Disc 1]
01バナナの国の黄色い戦争
親しみあるバナナをテーマにした不思議な歌。“バナナ味の歯磨き粉”や“ユメはイエロー”などファンタジックな言葉を並べながら、人間が起こす愚かな戦争や下世話な事柄のメタファーとするところが秀逸。ブラスを駆使したファンキーなロック・チューンに仕上がっている。
02NOBODY KNOWS
TBS系アニメ『xxxHOLiC◆継』オープニング・テーマとなった23rdシングル。自嘲するようなセンチメンタルな詞と彼らしい独特のコード進行が、どこか冷めたような雰囲気をまとっている。心にぐっと刺さるような力を持った歌だ。
03POP MUSIC
爽やかでメロディックなサウンドとは対照的に、日常で起こりうる不満や憤りなどがぎっしり詰め込まれた詞が印象的。ポップで軽やかなメロディに乗せられて、嫌なことも吹き飛ばしてくれそうなミディアム・ナンバーだ。
04プラネタリウム
街中で見かけた女の子に君の面影を照らし合わせてしまうという、ほんのり切ないスロー・ナンバー。スガシカオいわく「男性的な心理で女性には分かりにくい」という世界観で、どこか抽象的でありながら、詞を吟味するほどに味わいが変わってくる一曲だ。
05Call My Name
緊張感が漂うグルーヴィなミディアム・チューン。性をテーマにした詞は直接的な表現も多いのだが、少々変わった独特の視点と雰囲気がスガシカオらしくて面白い。その世界観を描写する軽やかなヴォーカルも、癖になりそうな魅力を放っている。
06FUNKAHOLiC
8thアルバム『FUNKAHOLiC』のタイトル・チューン。“ファンク中毒”という意味のとおり、アルバムの中でもひときわファンキーでグルーヴィなミッド・チューンとなっている。リズミカルでメロディックなベース・ラインが印象的だ。
07フォノスコープ
ファンキーかつ爽やかなミディアム・ナンバーで、カネボウ化粧品「T'ESTIMO」CMソングに起用された22ndシングル。相手の気持ちを確かめたいまっすぐな想いを“ぼくだけに聞こえる声で 君の言葉がほしい”と綴ったラヴ・ソングだ。
08潔癖
父親に似ている一面がある彼に対して“潔癖”になってしまう女性の心理を描くが、愛あるがゆえの“潔癖”や“嫌い”が見え隠れするという切なさも感じる。スガシカオらしさが光る、ファンキーでエレクトロなポップ・サウンドが耳に心地良い曲だ。
0913階のエレベーター
ヴォーカルの軽やかな声色とグルーヴィでリズミカルな重低音が印象的な、緊張感を持ったエレクトロ・ナンバー。閉塞感のある精神的苦痛を、狭い“エレベーター”で“13階”に着くまでの何ともいえない息苦しさになぞらえた詞が絶妙だ。
10コノユビトマレ
積水ハウス「シャーメゾン」CMソングとなった24thシングル。爽やかに鳴り響くストリングスと軽快なリズムが心地よいミディアム・ナンバーで、嫌な事があったり寂しい人に“僕のこの指とまれ”と手を差し伸べてくれるようなメッセージ・ソングだ。
11sofa
一緒にいるのが当たり前だった“君”がいないという喪失感を歌ったスロー・ナンバー。“君”といた風景や好きなものに思いを馳せても届かない……という悲しみや虚無感が、ほんのりとしたロック・サウンドと相まって切なく響く。
12宇宙
ピアノとアコギとストリングスによる静かでゆったりとしたバックが、やわらかく心地よく響くスロー・ナンバー。宇宙に一人放り出されるような孤独を感じるとき、君を思い出したい、見つけてほしいと切に願う気持ちを歌っている。
[Disc 2]〈DVD〉
01フォノスコープ (Video Clip)
02NOBODY KNOWS (Video Clip)
03コノユビトマレ (Video Clip)