ミニ・レビュー
COILのデビュー10周年を記念し、彼らが所属するレーベル・メイトたちがCOILの楽曲をカヴァー。スガ シカオがテクノ・ナンバーを熱唱。山崎まさよしがブルースに浸りきったりと、参加陣たちの意外な音楽性に溶け込む姿が垣間見られる秀逸作。
ガイドコメント
シングル曲「DANCE BABY DANCE」「夏はこれからだ!」を含む、2008年10月発表のアルバム。スキマスイッチの大橋卓弥&秦基博によるユニット“ハタクヤ”をはじめ、福耳ならではの豪華な顔合わせで魅了する。
収録曲
01DANCE BABY DANCE (福耳)
音楽事務所“オフィス オーガスタ”のスペシャル・ユニット、福耳が、COILのデビュー10周年を記念してトリビュート盤を制作。その1曲目にして、メンバー全員参加のシングル曲は、杏子のハスキーなヴォーカルが冴えたアッパー・チューンだ。
02Loveless (スガシカオ)
COILの作品のなかでもエレクトロ色の強い「Loveless」をスガシカオがカヴァー。ヴォコーダーがかかった歌声と淋しげなメロディや4つ打ちのリズムが、否応なしに緊張感と高揚感を煽る。
03キリギリス (長澤知之)
宅録ユニットとしてスタートしたCOILの、70年代フォークに対する返答とも取れる名曲をカヴァーしたのは、メンバーのなかで最も若手の長澤知之。ファルセット・ヴォイスが広がる前半と、歪んだギターをちりばめた後半のギャップの激しさに脱帽&感動。
04これでいいのだ/それでいいのか? (山崎まさよし)
カントリー風のギター・リフ、エモーショナルなメロディやポジティヴな詞がちりばめられた、COIL作品のなかでもロック度の高いハイテンションなナンバー。ヴォーカルを務める山崎まさよしの大らかな歌声が心地よい。
05ラーメン'95 (秦基博+大橋卓弥 (スキマスイッチ))
COILのシングル「BIRDS」のカップリング曲を、大橋卓弥(スキマスイッチ)と秦基博がカヴァー。愛する人とラーメンを食べるという、何気ない日常の断片を切り取った微笑ましい愛の歌を、シンプルかつ丁寧に紡いだアコースティック・ナンバーだ。
06アホアホ♥ベイビー (杏子+元ちとせ)
8ビートのアーシーなサウンドと、目の前の女性の悩殺っぷりを綴った煩悩丸出しのフザケた歌詞(もちろんいい意味で)がユーモラスなロック・チューン。杏子のハスキーな歌声も相まって、ダイナミックなサウンドに仕上がっている。
07夏はこれからだ! (Extended Ver.) (福耳)
岡本定義(COIL)の書き下ろしによるシングル曲のロング・ヴァージョン。メイン・ヴォーカルを大橋卓弥(スキマスイッチ)と元ちとせが務めるなど、福耳メンバー全員が参加した豪華な一曲。タイトルどおりの夏をテーマにした、爽快なサウンドが心地よい。
08みずうみ (COIL+葉葉)
シンガーの葉葉をヴォーカルに迎えた、エレクトロニカとクラシックの要素を取り入れた穏やかなミディアム・バラード。ヴァイオリンとピアノの優しく柔らかな音色と、伸びやかで透明感あふれるヴォーカルが心地よい。
09バナナ日和 (MICRON' STUFF)
2MC+ツイン・ギター+ベースによる5人組、MICRON' STUFFがCOILの楽曲をカヴァー。原曲は気だるさの漂うロック・ナンバーだが、明るいレゲエ・テイストにアレンジ。ともすれば後ろ向きにも捉えられる歌詞も、軽快に聴こえるのがまた興味深い。
10ハレルヤ (元ちとせ+常田真太郎 (スキマスイッチ))
常田真太郎(スキマスイッチ)がアレンジと演奏を、元ちとせがヴォーカルを務めたポップ・ソング。空の“ブルー”と心の“ブルー”が交錯する切なくも爽やかな詞と、島唄をルーツに持つ独特のコブシが効いた元の歌声が、心を穏やかにしてくれる。
11カウンセリング&メンテナンス (Copy&Paste Ver.) (COIL+福耳All Stars)
2008年7月26日西武ドームで行なわれた“Augusta Camp 2008〜10th Anniversary〜”からのライヴ音源。歌を岡本定義(COIL)が、バックをその他の福耳オールスターズが務めた、活気あふれるユーモラスな楽曲だ。
1264 (大橋卓弥 (スキマスイッチ)+秦基博)
COILの隠れた名曲を、大橋卓弥(スキマスイッチ)と秦基博のふたりでカヴァー。温もりあふれるアコースティック・ギターの音色と何気ない日常のなかにある幸せな気持ちを綴った歌詞が、心を穏やかにしてくれる。