ミニ・レビュー
話題の大型新人としてデビューした4人組の初ミニ・アルバム。広く知られるキッカケとなった「花になれ」(ORCAの百田留衣が手掛けた楽曲)をはじめ、歌を前面に押し出しながら、心地よく浸透してくるポップ・チューンを奏でる。細かなバンド・アンサンブルも意外な妙味。
ガイドコメント
4人組ロック・バンド、flumpoolのデビュー・ミニ・アルバム。TBS系ドラマ『ブラッディ・マンデイ』主題歌やau「LISMO」CMソングなどを収録した豪華な内容となっている。
収録曲
01花になれ
au「LISMO」のCMタイアップに起用され、flumpoolの名を一躍有名にした記念すべきデビュー曲。今を憂いながらも力強く咲き誇ろうと語りかけるメッセージの後ろで、ストリングスがほどよい緊張を感じさせる。
02春風
もう会えない相手に捧げる切ないミディアム・ナンバー。シンプルな構成のサウンドが、“会いたい”とひたすら願う歌詞を際立たせている。あまりに一途な主人公の想いと優しい音色が相まって、思わず涙。
03Over the rain〜ひかりの橋〜
ストリングスを多用した、奥行きや壮大さを感じさせるサウンドが印象的なナンバー。挫けそうな気持ちを奮い立たせ、前を向いて行こうと背中を押す応援歌で、どんな雨も必ずあがって光が差す、その輝きを信じて歩けば夢に届くのだと歌っている。
04388859
別れを切り出されたときに初めて気づく気持ち、情けなさ、悔しさをリアルに綴ったラヴ・ソング。告げられた“さよなら”に後押しされた募る一途な想いを歌う、山村の甘くもエモーショナルなヴォーカルが胸に刺さる。携帯でタイトルの意味深な数字を順に打って表れる文字を読むと……。
05Hello
“なんで生まれたの?”“生きる意味って?”不安や悩みが募ることもあるけれど、君が笑い、君がいてくれるだけでただ嬉しい……。何気ないことにこそ大切なことがあるんだと気づかせてくれる、前向きなロック・ナンバーだ。
06labo
2008年8月にTBS系『CDTV』のエンディング・テーマとしても使われた、インディ時代から人気の爽快なロック・チューン。耳に心地よく響くギターの音色が生む軽快なポップ・サウンドに、ウキウキとしてしまう。
07LOST
自主制作盤「ミライカナイ」やTSUTAYA限定シングル「labo」にも収録されたミディアム・チューン。自由を求めながらも、地に足が着いた安心感のある現状から抜け出すことへの不安と葛藤を、哀愁漂うサウンドに乗せて歌う。臆病は失うことだというメッセージに、力強さがみなぎっている。
08未来
愛する人とともに未来を歩んでいく決意を歌う、感動必至のラヴ・バラード。まっすぐ心に響く詞を歌う山村の甘く澄んだ声と温かくもビターなサウンドが見事にマッチし、ロマンティックな世界観を生み出している。
09花になれ (Instrumental)
ミニ・アルバム『Unreal』に収録された、「花になれ」のインストゥルメンタル・ヴァージョン。バンド・サウンドと見事に融合したストリングスは存在を主張しながらも、しっかりと曲を引き立てているのが分かる。タイトなギター・リフとともに堪能あれ。
10Over the rain〜ひかりの橋〜 (Instrumental)
TBS系ドラマ『ブラッディ・マンデイ』の主題歌として起用された配信限定シングル「Over the rain〜ひかりの橋〜」のインスト版。ドラマティックに盛り上がるサウンドの中で奏でられるアルペジオがなんともほろ苦い。じっくり聴いてもらいたい一曲。