ミニ・レビュー
90年生まれの女性シンガー・ソングライター、これがデビュー・アルバム。ティーン独特の青い衝動や直情を、コケティッシュな声質のシャウト&フェイクで綴った骨太なガールズ・ロック。キュートにもハードにも聴かせる深いポテンシャルに、期待感マックス。
ガイドコメント
シンガー・ソングライター、阿部真央のデビュー・アルバム。等身大のティーンエイジャーの想いが表現された詞を、鋭さとキュートな一面を持ち合わせたヴォーカルで届けている。
収録曲
[Disc 1]
01ふりぃ
今しかないこの瞬間を自由に生きようという前向きな歌詞を、キャッチーなロック・サウンドにのせたアップ・チューン。ハスキーな低音からキュートな高音までさまざまな声色を使い分けながら、一貫して凛々しさを失わない歌唱が冴えわたる。
02人見知りの唄〜共感してもらえたら嬉しいって話です〜
彼女の持ち味でもあるアコギを掻き鳴らしたロック・サウンドに、跳ねるようなドラミングが心地よい一曲。人との関わりを避けている訳ではないけどどうしていいかわからない、という自身の経験を投影させたリアルな歌詞に共感する人も多いはず。
03MY BABY
キュートなハイトーン・ヴォイスを聴かせる阿部真央の処女作。ドキッとするセクシーな表現が見られる歌詞を、爽やかなアコースティック・ロック・サウンドにのせてサラッと歌いこなしている。恋に夢中になっているティーンの気持ちがよく伝わってくる。
04キレイな唄
ホーユー「Beauteen」CMソングに起用されたミディアム・ロック・ナンバー。二人だけの世界に飛び出そう、と大切な人への想いや支えていきたいという気持ちを歌っている。ストリングスの音色が、風が吹き抜けるような爽やかな空間を作り上げている。
05デッドライン
唸るようなア・カペラで始まるインパクトのある一曲。アコギ一本の弾き語りというには激しいカッティングと搾り出すような歌唱で伝えるのは“人には、誰にでもふみこまれたくないラインがある”という思いだ。
06Don't leave me
アコギのイメージが強い彼女がピアノ伴奏にのせて歌う失恋ソング。身近にいる友達をいつの間にか好きになってしまっても、本当の気持ちを伝えることもできなかったという後悔を、切なく、力強く歌い上げる極上バラードだ。
07コトバ
静かなストリングスのイントロに切なさをかき立てられ、サビの歪んだギターで一気に盛り上がりを見せるミディアム・ロック。大切な人の死を悔やまないように“コトバ”で伝えることの大切さを説いたメッセージ性の高い歌詞を、力強い歌唱で真っ直ぐ届ける。
08want you DARLING
キレの良いアコギのカッティングと抜けるようなスネアがしっかりとしたリズムを刻むロック・チューン。好きな人の隣は私だけ!という束縛の言葉も“あべま”が歌えば可愛く思えてしまう。“チュチュチュ”と歌うイントロがクセになりそう。
0917歳の唄
17歳という多感な時期の心の内をさらけ出した歌詞に胸を打たれるロック・ナンバー。子供と大人の間で揺れ動く微妙な心情を、さまざまな声や歌い方でリアルに表現している。後半の加工されたコーラスが海に漂うような浮遊感をもたらしている。
10情けない男の唄
女版“長渕剛”とでもいえるような男臭さを見せるシンプルなアコギ弾き語りナンバー。どこまでもストレートに、どこまでも格好悪く、ダメな男が精一杯の愛を歌っている様子を描く。ハスキーで掠れた声が男目線の歌詞にぴったりハマった一曲だ。
[Disc 2]〈DVD〉
01ふりぃ (Music Clip)