ガイドコメント
ヒップホップ・ユニット、TERIYAKI BOYZの約3年2ヵ月ぶりとなる2ndアルバム。ネプチューンズ、カニエ・ウェスト、ビースティ・ボーイズのアドロック、コーネリアスら豪華なプロデューサーを迎えた意欲作だ。
収録曲
[Disc 1]
01PLEASE COME INTRO!
2ndアルバムの冒頭を飾る、アドロック(ビースティー・ボーイズ)制作のイントロ。日英二カ国語の多重放送による報道番組風にキャスターが淡々とニュースを読むなかで、アドロックがメンバーの名前などを叫ぶ。最後の“ヘイ!オマチー”から本編の幕が開く。
02WORK THAT (FEAT.PHARRELL&CHRIS BROWN)
ファレルとクリス・ブラウンを迎えたネプチューンズ制作のアップ。ダウナーでうねるビートの上をファレルがクールというより無機質にフロウするフックが特色。ヴァースではメンバーがマイクリレーしていくが、コーラス以外クリス・ブラウンは控えめだ。
03AFTER 5 (A.M.) (FEAT.MADEMOISELLE YULIA)
テイ・トウワ制作のエレクトロ・ハウス風チューン。言葉を区切って発する譜割が印象的なヴァースとマドモアゼル・ユリアによるチープなコーラスとの組み合わせが斬新。午前5時を迎えても遊び足りない、グダグダでも楽しい週末について歌っている。
04TOKYO DRIFT (FAST&FURIOUS)
ネプチューンズ制作による『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』主題歌となったアップ。オリエンタルな雰囲気のトラックをバックにした、EMYのキンとした甲高い声のコーラスとそれに呼応する“キター!”というフレーズは、中毒性がタップリ。
05SWEET GIRL (FEAT.DONDRIA)
コモドアーズ「スウィート・ラヴ」を配したジャーメイン・デュプリ制作による清々しいR&Bチューン。ビヨンセにも似たドンドリアのフックの後で、メンバーがそれぞれに“何も言わずに振り向いて”と目当ての女性に気持ちを伝えるアプローチ・ソングだ。
06TERIYA-KING (FEAT.KANYE WEST&BIG SEAN)
ブラック・メルダ「Cynthy-Ruth」の“ウォーウォウ”という雄叫びを借りて、制作のカニエ・ウェストが“テリヤキーングス、キーングス”と連呼するフックが印象的。各々が自己誇示のパートを繰り広げたのち、最後にビッグ・ショーンが締める展開だ。
075th ELEMENTS (FEAT.CORNELIUS)
茶を注ぐ音や風鈴、鹿おどし、祭ばやしなど和風な効果音をふんだんに用いた、コーネリアス制作の日本賛歌。わびさびや和の精神、調和や折衷など日本人が得意とする長所を列挙していく。タイトルよろしくフックの最後にはブルース・ウィリスも登場。
08SERIOUS JAPANESE
細かい作業や折衷など日本人の長所をマイクリレーしていく日本人賛歌。「5th ELEMENTS」とテーマは同一だが、こちらは陽気さを抑えた“シリアス”なモードで展開していく。太いホーンなどを配したマーク・ロンソン制作曲。
09ZOCK ON! (FEAT.PHARRELL&BUSTA RHYMES)
ファレル&バスタ・ライムズを迎えたネプチューンズ制作のシングル。落下していくような変態的なアレンジとファットなクラブ仕様トラックをバックに、メンバーが“ヤバめな”彼女にアプローチするさまを描く。クールさではバスタ・ライムズに軍配か。
10 (CAN'T)”BAKE”THAT”FAPE” (FEAT.TAKAGIKAN&ADROCK)
“FAKE THAT BAPE”のいい間違いをそのままタイトルにしたアドロック(ビースティー・ボーイズ)制作のトラック。ヒップホップの進化とメンバー紹介を高木完のラジオDJ風の先導で展開。最初にアドロック、最後には高木完のフロウも登場。
11いつも IT'S MORE
夏の夕暮れを想起させるようなマイク・オールドフィールド「イントゥ・ワンダーランド」を使ったミッド。いつも君のことだけを想っていると、4人のMCがそれぞれのスタイルで綴っていく。タイトルはもちろん“いつも”と“IT'S MORE”をかけたもの。
12I STILL LOVE H.E.R. (ALBUM MIX) (FEAT.KANYE WEST)
MFSB「ダンス・ウィズ・ミー・トゥナイト」を敷いたカニエ・ウェスト制作&参加のシングルのアルバム版。ソウル曲のループ使いというカニエ得意の手法に乗せ、忘れられない恋の想い出を巡らせる。H.E.R.は“ホント・E・RAP”とのWミーニング。
13GET THE HELL OUTRO
2ndアルバム本編最後となるアドロック(ビースティー・ボーイズ)制作のアウトロ。構成はアルバム冒頭曲「PLEASE COME〜」と同様だが、こちらは1分弱のショート・トラック。“マジで”“ガチで”“スゲー”と叫喚するアドロックがインパクト大。
14TOKYO DRIFT (FAST&FURIOUS) (REMIX) (FEAT.PUSHA T&FAM-LAY)
ネプチューンズ制作のドープなクラブ・アップをPUSHA T&FAM-LAYを迎えてリミックス。原曲の“キター”以下の印象的なフックを“I Like, You Like, She Like, SUKI”と替え、よりクールなトラックにしている。
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