ガイドコメント
アップ・チューンからスロー・バラードまで、変幻自在のサウンドが楽しめる7thアルバム。珠玉のバラード「Moon Crying」やブラック・アイド・ピーズのFergieをフィーチャーした「That Ain't Cool」などを収録している。
収録曲
01INTRODUCTION FOR TRICK
“一夜限りのショウ・タイム”をテーマにしたアルバム『TRICK』のイントロダクション。喧騒とショウの開演宣言からはじまるクラブ・バンガー風トラックに乗せて、“術中にはまってる”とパーティ・ピープルを煽るコーラスが快楽の饗宴へといざなう。
02TABOO
41thシングルとなったHIROによるエレクトロ調アッパー・チューン。私の禁断の心の扉を秘密の鍵で開けてみせてと誘う内容で、不安と期待が入り交じるジリジリとした感情を官能的な歌唱で披露している。倖田の魅力が最も発揮される部類のパーティ・ソングだ。
03show girl
TOMOKAZU“T.O.M”MATSUZAWA、THE HOT PANTZ、カミカオル共作によるファンキー・アップ。男を翻弄する女性の小悪魔っぷりをショウ・ガールに見立てた女性上位ソングで、キャバレー風のアウトロへの派手やかな展開も楽しい。
04Your Love
いつまでも一緒にいさせてと願う、ハートウォームなミディアム・ラヴ・バラード。HIRO制作による優しく肌あたりのよいサウンドをバックに、倖田が人なつっこいキュートなヴォーカル・ワークを披露している。トステム「フィアスホーム」CMソング。
05stay with me
再びあの頃に戻って一緒に微笑みたいと切望するウィンター・ラヴ・バラード。ピアノやストリングスとともにケイリブ・ジェイムス、YURIらのバック・コーラスが、世界観をいっそうドラマティックに演出している。au「LISMO」CMソング。
06This is not a love song
ピート“ボクスタ”マーティン制作によるUSマナーのミディアムR&B。うねりのある変態的なビートとファルセットを多用したセンシュアルなヴォーカルが妖しげな世界を創るが、内容は優しい嘘に騙されながら真実の愛を求めてさまよう切ない女心を歌ったもの。
07Driving
待ちこがれた相手への胸の高鳴りをドライヴの疾走とリンクさせて描写したエレクトロなアップ。胸の内をファルセットによるコケティッシュな歌唱で披露したり、エフェクトを使ったりと、多彩なアイディアにも富んだ一曲。
08Bling Bling Bling (feat.AK-69)
“愛とかいう前に金やら車やらを持ってきてよ”と告げる女王様君臨ソング。“オレが名乗り出るぜ”とAK-69が勇んでフロウするも、底なしの強欲ぶりに呆然という展開だ。派手でチープなUS調アップを制作したのは、ピータ“ボクスタ”マーティン。
09That Ain't Cool (倖田來未 feat.Fergie)
ファーギーを迎えたキース・ハリス制作のUS調ミッド。乾いたビート上で展開する猫の目のように抑揚の激しいヴァースや“ヘイ”という掛け声などは、BEPともファーギーともいえる作風で、強い女性像を描くのに最適。子供じみた男はサヨナラと言い放っている。
10Hurry Up!
tasukuによるハードなギター・アレンジが全編を駆け抜けるアップ。好意を抱いていた男に裏切られてもまだ追い求めてしまう自身の怒りと切なさが混じった微妙な感情を、堰を切ったように畳み掛ける歌唱で表現している。山木隆一郎のラップも効果的。
11Moon Crying
“逢いたい気持ちは……伝えきれない”という切々としたヴォーカルに、倖田來未の表現の振幅を感じるミディアム・バラード。ドラマティックなストリングスによって胸が締め付けられる、テレビ朝日系ドラマ『パズル』主題歌。
12JUST THE WAY YOU ARE
マシュー・ジェラード&グレッグ・クリッチリー制作によるミディアム・チューン。楽曲をよりキュートにしているのは、ヴァイオリン風の音をループさせた愛らしいアレンジ。悩みも愚痴も聞いてくれる気兼ねない友達の大切さを、自然体で歌っている。
13Joyful
周りを気にせず自分らしくいこうという応援ソング。ポジティヴな詞にふさわしく、サウンドも軽快なギター・カッティングや朗らかなバック・ヴォーカルなど、微笑ましいポップなアレンジで満たされている。倖田の陽性的な歌唱も快い。
14愛のことば
ともに喜びあふれる明日へ進もうというラヴ・バラード。ストリングスを全編に敷いたオーソドックスな作りだが、随所にギターを巧みに配して大げさでない親和性のあるウエディング・ソングに仕立てた。ホープフルな歌唱も愛する二人に力をくれそうだ。