ミニ・レビュー
1年1ヵ月ぶり、4枚目のアルバム。『オリコン』チャートで1位を獲得した「儚くも永遠のカナシ」など疾走感と高音に独特の切迫感のあるヴォーカルでグイグイ押してくる。「激動」や「恋しくて」などヒットしたシングル曲も収録。“覚醒前夜”を意味するタイトルどおり、ブレイク前夜の勢いを感じる。
ガイドコメント
UVERworldの4thアルバム。人気シングル曲「激動」や「恋いしくて」、アニメ『機動戦士ガンダム00』のオープニング曲「儚くも永久のカナシ」など、ヴァラエティ豊かな一枚となっている。センスの良いギター・ロックが耳から離れない。
収録曲
01激動 (AwakEVE ver.)
テレビ東京系アニメ『D.Gray-man』オープニング・テーマとなった10thシングルのアルバム・ヴァージョン。挑発的でシニカルながら憂いをはらんだ歌詞をTAKUYA∞がエモーショナルに歌う、躍動感のあるロック・チューンだ。
0299/100騙しの哲
甘い話や嘘にあふれた化かし合いばかりの世間を痛烈に皮肉った毒吐きソング。批判だけでなく、“今度こそ僕が100分の1を手にする”という微かな希望への前向きな意志や、“思考回路傷んだ大人達に 絶対負けんなよ”という若者へのメッセージも込められている。
03美影意志
ほろ苦くも温かいサウンドにのせて最愛の人への想いを綴った極上のラヴ・ソング。改めて恋に落ちたり、相手の幸せが自分の幸せになったりという純愛ぶりを、語りかけるような歌唱で聴かせる沁みる一曲になっている。
04コロナ
めまぐるしい展開をみせる疾走感あふれるロック・チューン。“灰になるほど 焼き尽くしてくれよ 僕に潜むコロナ”と、自身の内側からエネルギーを爆発させるかのようなエモーショナルな声を上げるTAKUYA∞のヴォーカルが清々しい。
05儚くも永久のカナシ
TBS系アニメ『機動戦士ガンダムOO(セカンド・シーズン)』のオープニング・テーマとなった12thシングル。愁いを帯びたクールなサウンドで疾走するロック・ナンバーで、永久の愛をテーマにした、傷ついても絶望しても本当の愛を求めていく意志が込められた一曲。
06earthy world
“振り返れば 全てがありがたい”とTAKUYA∞がこれまでの経験で感じたことや、メンバーやファンへの感謝をストレートに綴った一曲。ポジティヴなエネルギーに満ちた、疾走感のある清々しいロック・チューンとなっている。
07畢生皐月プロローグ
一時的にモチベーションが下がったときの心境をありのままに綴ったエレクトロ・ロック調のナンバー。“全部やめようかな”“生きるって面倒くさいな”と歌いながらも、“本当は熱くなりたい”といった前向きなエネルギーものぞかせている。
08アイ・アム Riri
ギターのカッティングが印象的なヘヴィ・チューン。歌うことしか残っていない孤独な歌姫の悲しい物語をベースにしたストーリー性のある歌詞が特徴で、規則やルールが嫌で逃げ込んだライヴハウスの中では言いたいこといって気持ちを解放させろと歌う。
09恋いしくて
失った恋人を忘れられずにいる気持ちを歌ったラヴ・バラード。“心のままに愛せばよかった”と手放してから募る愛しさが抑えきれず、“さよならの訳を 何度も繰り返す”主人公の苦悩をTAKUYA∞が感情を込めて歌い上げる。
10Forget
時には忘れてしまっても構わないと歌い飛ばす反面、忘れてはいけないことも簡単に忘れてしまう人間の愚かさを歌ったアッパー・チューン。嫌なことは忘れて騒ごうぜというポジティヴなメッセージが込められた、さわやかなロックに仕上がっている。
11Just break the limit!
キラキラとした清涼感のあるロック・サウンドが耳当たりのよい応援歌。TAKUYA∞自身の経験談を交えながら、夢を追いかけるのに遅すぎることはないと背中を押してくれる。“諦めなかった数と かなった数も同じ”と力強いメッセージをくれる。
12和音
激しくかき鳴らすギターが攻撃的な印象を与えるインスト・ナンバー。各々のソロで聴かせるのではなく、ひたすらに全員で攻めていく構成が特徴的だ。ワイルドでアグレッシヴな面がフィーチャーされた、バンドの実力の高さを再確認させる一曲。
13ハルジオン (2ndーMIX)
“必要な別れ”の意味を実感し、前向きに生きていくことを歌った涼しげなロック・ナンバー。12thシングル「儚くも永久のカナシ」収録曲の2nd-Mixとなっている。地元の仲間たちを大切に想う気持ちや強い絆がしっかりと伝わってくる。
14YURA YURA
“悲しい歌なんかより 希望に満ちた声を聞かせたい”という願いが込められたナンバー。汚れた世界のなかでも失われない人間の美しさを歌っていきたいというドラマティックな一曲で、アルバム『AwakEVE』のラストを堂々と飾っている。