ガイドコメント
ロック・バンド、BEAT CRUSADERSのベスト・アルバム。「IMAGINE?」のセルフ・カヴァーやABBAの名曲「DANCING QUEEN」のカヴァーなど、彼らの活動と音楽的ふり幅の広さが実証されている。
収録曲
[Disc 1]
01LAST GOOD-BYE
スピーディかつシンプルな2ビートが爽快なメジャー・トラック。“LAST GOOD-BYE”のフレーズがキャッチーに繰り返される簡潔な“お別れソング”といった反面、リリックからは一抹の淋しさや切なさも感じられるのが面白い。
02JAPANESE GIRL
メンバーいわく“日本人の日本人による日本人のためのアジア勘違いソング”。遠い異国のジャパニーズ・ガールに恋してしまった男の明るい苦悩を綴ったリリックが楽しい。中国音階のサウンドなど極彩色に仕上げられたデジタル・ロックだ。
03LOVE DISCHORD
トイ・ドールズ、ティーンエイジ・ファンクラブなどを愛聴するヒダカトオル(vo)ならではの、ポップ・パンクとギター・ポップの両要素をほどよく融合させたナンバー。ハイピッチながら疾走の一歩手前というテンポ加減が心地良さを感じさせる。
04HIT IN THE USA
テレビ東京系アニメ『BECK』のオープニング・テーマとなったパワー・ポップ調のナンバー。80年代のアメリカのポップ・シーンを彷彿とさせるエネルギーに満ちたリリック&サウンドで、高揚感を増すハンド・クラップが印象深い。
05FEEL
歳を経ていつの間にかロックンロールから離れゆく大人たちに再度目覚めを促す“ロック礼賛”歌。歪んだギターや抜けの良いドラム、ウェイトの効いたヴォーカルなど、セッションを楽しみながら演奏している感じがひしひしと伝わる好トラック。
06BANG!BANG!
パワー・ポップ全盛の時代のシンセ・サウンドを、彼らならではのカラーリングで現代に蘇らせたデジタル・ロック。合いの手やコミカルなセリフなどの要素も無理なく詰め込まれた、パーティにもぴったりのカラフルな一曲。
07LOVEPOTION#9
ハードコア・スタイルを全面に押し出したアップ・チューン。パワフルで乾いたドラムが力強いギターを牽引するとともに、ポップ・ナンバーで披露されるライトな声を本作では封印。無骨でしゃがれたヴォーカルを展開している。
08ISOLATIONS
跳ねるようなギターのリズムが楽しげなメロディック・ハードコア。彼らの真骨頂ともいえる絶妙なデジタル・サウンドは健在で、めずらしくチェンバロの音も顔を出す。バンドとしての熟練度もうかがえる息の合った演奏だ。
09I CAN SEE CLEARLY NOW
ジョニー・ナッシュの名曲「I CAN SEE CLEARLY NOW」をパワー・ポップ調アレンジでカヴァー。雨上がりに視界が広がるさまを心模様に見立てた晴れやかなナンバーで、力強さがプラスされている。
10IMAGINE?
11DANCING QUEEN
12DAY AFTER DAY
彼らにしてはめずらしく、2ビートで疾走するパンク・チューン。マシータのドラムを核に、ややメロウ感を漂わせたヴォーカルが長い息でビートを凌駕していく。疲れに絶望しているヒマはないと説く、栄養ドリンクならぬ栄養ソングだ。
13SOLITAIRE
ふと夜中に感じる寂寥感をBEAT CRUSADERS流に切り取った応援ソング。UKロックのTHE POGUESの影響から生まれたという、イントロや間奏でのハモリを効かせたギター音は、聴き逃せないポイントだ。
14TONIGHT、TONIGHT、TONIGHT
ピースフルなサビが盛り上がる、ポップ・ソングへの愛情が込められた明るいナンバー。疾走感のあるポップ・ロックで、バック・コーラスがヴォーカルをやさしく支えると同時に、ギターやベースなどのバンド・サウンドもまろやかにさせている。
15GHOST
異色のコード進行によってメロウ感を生み出したメロディック・チューン。漠然とした不安をゴーストに見立てたファンタジックな歌詞にぴったりのサウンドに仕上がっている。
16CUM ON FEEL THE NOIZE
メタル風の重厚なギター・リフが印象に残る一曲。メタル・パートとパンク・パートがポップなデジタル音で繋ぎ合わされた、オリジナリティあふれるサウンドが次々と展開される。“愛に包まれた騒音と破壊”というテーマも斬新。
17HEY×2 LOOK×2
日本のアニメをパロディしたアメリカのコメディ・アニメ『Kappa Mikey』のオープニング・テーマとして書き下ろされたドタバタ・ソング。ハンド・クラップや合いの手が盛り上げる、明るさに満ちたミディアム・チューンだ。
18LET'S ESCAPE TOGETHER
80年代のニューウェイヴを彷彿とさせる、きらびやかなアッパー・ソング。エフェクトの効いたヴォーカルやシンセ、ギターがキラキラとまぶしい。“みんな一緒に逃げちゃおう!”というキュートなリリックに込められた、ユーモア&ペーソスが面白い。
19WINTERLONG
若い頃の想いにいつまでもセンシティヴになる瞬間を、ギター・ポップに乗せて歌う。ポップな味わいのリリックとオルタナティヴ・ロック風の歪むギターの組み合わせだが、アンバランスにみえて不思議と爽快。ニール・ヤングの同名異曲に捧げられたナンバーだ。
20TIME FLIES、EVERYTHING GOES
超高速2ビートに乗せて、“時”への想いを甘酸っぱく綴ったパンク・ナンバー。タイトルにある“Time flies, everything goes”という一節が、“これまでとこれからの時間を大切にね”と諭すかのように唱えられる。
21WORK IT OUT
ツアー・サポートでも活躍するBREMENのエリーをゲスト・ヴォーカルに迎えた、エレクトロな沖縄民謡トラック。いつもならばギター・リフを駆使するパートをあえてシンセの低音に置き換えた、不協和音を響かせた異色なサウンド構成が冴えている。
22CHINESE JET SET
DEVOへのオマージュが凝縮された、明るいエレクトロ・ポップ。クラスメイトの中国の女の子に片想いする少年の心模様を描いた、これまでにあまり見られなかったシチュエーションを選択するあたりが彼ららしい。浮遊感と遊び心が詰まった一曲。
23SUMMEREND
夏の終わり特有の切なさを、bloodthirsty butchersの吉村のノイジーなギターをフィーチャーして仕上げたナンバー。簡潔にまとめられた歌詞と反するように、うねるギターが鳴り響き、粘り気を帯びたサウンドが展開していく。
[Disc 2]〈DVD〉
01TIME FLIES、EVERYTHING GOES
02FOLLOW ME
03DROOG IN A SLUM
04ISOTONIC
05E.C.D.T.
06TONIGHT、TONIGHT、TONIGHT
07HIT IN THE USA
08GHOST
09SUMMEREND
10LITTLE BITCH
11FOOL GROOVE
12BE MY WIFE