ミニ・レビュー
7枚目のオリジナル・アルバム。スウェーデンでレコーディングされ、気鋭のプロデューサーたちを迎え、さまざまなタイプの曲にトライしているが、そういう要素を越えた、シンガーとしての素晴らしさに満ちている。緩急の付け方が巧みで、ますます深みが増した 。★
ガイドコメント
気鋭のプロデューサーたちを迎えた、2009年3月発表のアルバム。最新鋭のポップスを消化し、芯の通ったソウルフルな歌唱を展開。映画『おくりびと』のイメージ・ソングなどを収録している。
収録曲
01YOU ARE MY STAR
UTA制作の19thシングルのリミックス・ヴァージョン。リミックスを手掛けたのはショーン・ギャレット作品などでも知られるKocky&Trashで、音圧が高いながらもポップネスを携えたフューチャリスティックなクラブ・チューンとなっている。
02my angel
Kocky&Trash制作によるバウンシーなUSヒップホップ調ミッド・スロー。ポロロンと鳴る鍵盤や“ヘイ”の掛け声などにぎやかなトラックをバックに、“これからも私のエンジェルでいて”と歌う。中盤のズルズル引きずるようなラップも聴きどころだ。
03So Special (Version AI) (AI+EXILE ATSUSHI)
ATSUSHI(EXILE)を迎えた18thシングルのAIヴァージョン。互いが出逢って特別な存在でいられる奇跡を大切に生きようと歌うラヴァーズ・チューンで、美メロにシルキーなヴォーカルがすんなりと溶け込むUS調R&Bバラードだ。
04君といた場所
繊細なキーボードの音色が失恋後の消え入りそうな心情を巧みに表現する、UTA制作によるミディアム・スロー。君と過ごした頃に戻りたいという想いを情感豊かに歌いあげる、AIの表現力が見事に色づいたバラードだ。
05feel for you
ともに同じ道を進み、安心させられる場所でありたいという切なる胸の内を吐露したナンバー。BACH LOGIC制作によるコンシャスなR&Bトラックはややダウナーだが、切なくも強い信念を携えた声色によって一縷の希望が垣間見えるようだ。
06SCREAM (feat.JESSE from RIZE)
JESSE(RIZE)制作による、分厚いギターがうねるパンキッシュなヘヴィ・ロック・チューン。とにかく騒いでストレス発散しようというシンプルなコンセプトのもと、アルバムの最終録音日のテンションも手伝って、AIもJESSEも弾けまくっている。
07people in the World
ソウルやディスコの要素をふんだんに採り入れたファンキーなナンバー。音楽を聴いて悩みを吹き飛ばせというAIの普遍的なメッセージが込められている。中盤から終盤へかけてのゴスペル風のブリッジも効いた、DJ WATARAIとUTAの共同制作曲。
08FIRE!
スウェーデンのジョナス・ジェバーグ制作によるホーン・セクションをフィーチャーしたアップ。ファイヤー・ダンスを思わせる腹に響くボトムと時折象の鳴き声にも感じる太く高らかなホーンをバックに、炎のごとくメラメラとたぎる胸の鼓動を情熱的に歌う。
09Like a bird (feat.CORN HEAD)
CORN HEADを迎えたUTA制作のレゲエ調ミッド。きらめく鍵盤の美しい旋律の上で、自分を信じて鳥のように羽ばたこうと歌う。AIはしっとりとした歌唱を披露するも、CORN HEADは変わらずの陽気な兄貴節でリーダーシップを発揮。
10Day Vacation
ヴィンテージの匂いも漂うファンク・ロック調ミディアム。現実に疲れたら、たまには気ままに過ごして自分らしさを取り戻してみようというアドヴァイス・ソングだ。ギター・リフが印象的なマッツ・ヴァレンティン制作曲。
11Nobody Like You
ICEDOWN制作によるミッド・スロー。スナップ音を基調としたシンプルなトラックだが、ヴォコーダー・エフェクトを駆使したコンシャスなUS調R&Bマナーのバラードに仕立てている。夢見ていた人に出会えたという喜びを歌ったスムースなバラードだ。
12Rose
戦うだけが守ることのすべてじゃないと切に訴えるメッセージ曲。美しくも脆いバラを平和希求の主題に、切なくも凛とした歌唱を響かせる。ダークな雰囲気ながら推進力のあるトラック制作はDJ WATARAI。“守るために”と言い切るラストが何とも強力。
13Touch the sky
自分を信じて夢へともに駆けあがろうというメッセージに勇気をもらえる応援歌。伸びやかでポジティヴな歌声は、一点の曇りもない青空のように澄みわたる。折り重なる弦とバック・コーラスがドラマティックな演出に一役買う、THE COMPANY制作曲。
14おくりびと
久石譲が作編曲を手掛けた、映画『おくりびと』イメージ・ソング。世界観の音像化に長けた久石譲らしいオーケストラ調のミディアムで、言葉を丁寧に摘むようなAIの歌唱も特色。“愛は刃物より胸につきささる”の言葉が生々しい、余韻が美しいバラードだ。
15YOU ARE MY STAR (Kocky&Trash Remix)
UTA制作の19thシングルのリミックス・ヴァージョン。リミックスを手掛けたのはショーン・ギャレット作品などでも知られるKocky&Trashで、音圧が高いながらもポップネスを携えたフューチャリスティックなクラブ・チューンとなっている。