ミニ・レビュー
5枚目のソロ・アルバムは、迷いが吹っ切れ、ソロ・アーティストとしての潜在能力の高さをアピールしている。シャッフル、12/8(ロッカ・バラード)、リズム・ボックスを使用したナンバーなど、ロックをベースにしながらもバラエティ豊かな仕上がりだ。
ガイドコメント
約1年半ぶりとなる、ソロ通算5枚目のオリジナル・アルバム。前作に引き続き、ロサンゼルスにてレコーディングされたナンバーで構成。ライヴで披露され人気を博した「SNOW」などが楽しめる。
収録曲
[Disc 1]
01ビルマニア
10thシングルとなったエモーショナルで疾走感あふれるロック・ナンバー。ディストーションのかかったエネルギッシュなギターと軽快なドラムにより、アグレッシヴなサウンドに仕上がっている。クリアであると同時にどこか色気のある吉井のまっすぐに歌う声が魅力的だ。
02フロリダ
リズミカルで明るいサウンドのブギー調ミディアム・チューン。荒々しく跳ねるように鳴るギターと軽やかな吉井の歌声が非常によくマッチしていて、“アメリカで本当のロック”を体感した喜びを全身で表わしているような躍動と情熱が感じられる。
03ウォーキングマン
哀愁と男臭さを感じさせるミディアム・スローのブルース。歪んだギターがうなり、気だるく流れるようなメロディを作り出している。エモーショナルに歌い上げる吉井に幅広いロックの才能を見ることができるナンバーだ。
04ノーパン
ゆったりとノスタルジックに流れるメロディから一転してアグレッシヴな熱いサウンドへと展開する、プログレ風のサイケデリックな一曲。夏を思わせる言葉を織り交ぜた、甘美で官能的な歌詞がユニークだ。
05ヘヴンリー
歌謡曲の要素を加えながらも十分にロックを感じさせるナンバー。イエモン時代を思わせる憂いのあるサウンドと歌詞に吉井らしさがうかがえる。焦燥感を覚えるメロディと間奏でかき鳴らされるギターが、緊張感を醸し出している。
06魔法使いジェニー
リズミカルでダンサブルに仕上がったポップ・ナンバー。緊張を感じさせながらも自然とリズムをとってしまうディスコ調のサウンドと弾む吉井の歌声によって身も心も踊る。タイトル同様ファンタジックな歌詞にも注目。
07SNOW
物悲しく鳴るアコギと冷たく美しく響くピアノで始まるバラード。徐々に温かさを増していくメロディではあるが、曲全体に漂う哀愁が心に残る思い出の深さを表わしているようだ。別れた時の情景が忘れられず、“君”にまた逢いたいという想いを綴っている。
08ONE DAY
明るく温かいメロディのミディアム・ロック・ナンバー。自分を信じ突き進むという力強さを表わすと同時に、若者を励ます前向きな歌詞が希望を与えてくれる。“ONE DAY”という爽やかなコーラスと鋭くも柔らかいギターがよく合っている。
09ルビー
女性目線で綴ったメランコリックで色っぽい詞が魅力のロック・ナンバー。ノスタルジックではあるが、エモーショナルなサウンドと抑揚のある吉井の歌声がイエモン時代を彷彿とさせる。間奏のギターがセンチメンタルな気分へと導く一曲。
10またチャンダラ
軽快なリズムと陽気なメロディが心地よいミディアム・ナンバー。吉井の穏やかで優しい歌声となじみやすいサウンドは、ゆらゆらと踊りたくなるほどだ。一緒に繰り返し歌いだしたくなる“またチャンダラ”という詞が耳に残る。
[Disc 2]〈DVD〉〈YOSHII BUDOKAN 2008〉
01ビルマニア
02I CAN BE SHIT、MAMA
03Do The Flipping
04黄金バッド
05SIDE BY SIDE
06ルーザー
07BLOWN UP CHILDREN
08NAI
09CALL ME
10TALI
11天国旅行
12シュレッダー
13SNOW
14バッカ
15WEEKENDER
16ビルマニア (VIDEO CLIP)
17ビルマニアの作り方
18VOLT SPECIAL INTERVIEW