ミニ・レビュー
ダウンロード限定リリースの「Garden」(Sugar Soul feat. Kenjiの名曲をカヴァー)でブレイクした感のあるMay J.のサード・アルバム。熱唱タイプではないが確かな歌唱力を感じさせ、サウンドも彼女の個性に合う軽やかな感覚。DJ KAORI、Diggy-MO'、キマグレンらがゲスト参加。
ガイドコメント
エイベックス移籍第1弾となるミニ・アルバム。作詞曲を担当したキマグレンとの客演曲や、DJ KAORI、Diggy-MO'らを迎えたSugar Soulのカヴァーなどを収録。より磨きのかかった表現力と歌唱力にも注目だ。
収録曲
01Garden (feat.DJ KAORI、Diggy-MO'、クレンチ&ブリスタ)
配信限定で発表したSugar Soulのカヴァー。Diggy-Mo'らのラップを配してはいるが、澄明で燦然としたイメージで展開。メアリー・J.ブライジ「リアル・ラヴ」風のストリングス・フレーズのループに乗せ、快活な歌唱が映えるナンバーだ。
02もし君と… (with キマグレン)
悲しい別れがあったからこそ今の自分があるんだと胸を張って言える、芯の強い女性を描いたナンバー。客演のキマグレンによるカラッとしたアコギの音色とMay J.の涼やかな歌声があいまって、晴れわたるような爽快感のあるサウンドに仕上がっている。
03旅立つ君に
DAISHI DANCE作曲の凛々しいピアノ&ストリングスが導くミディアムR&B。前向きな“旅立ち”の時に贈るはなむけのように、あたたかいまなざしが感じられる“心はいつでも繋がっている”という詞がそっと背中を押してくれる。
04FAMILY-interlude-
いつも自分を支えてくれている両親、兄弟、友人、ファンなど、May J.にとっての“FAMILY”への感謝の気持ちを表わした2ndアルバムのセルフ・タイトルとなったインタールード。優しく語りかけるような声からは、飾らない素の彼女が垣間見える。
05Story of Love
すべてが輝いて見える、恋に落ちた瞬間の女の子の心模様を綴ったミディアム・ポップ。恋に夢見るロマンティックな詞はHOME MADE家族のKUROが手がける。疾走感のあるシンセ・サウンドに“アイヤイヤー”と繰り返すコーラスもキュート。
06Give my heart
突き抜けるような爽快感のあるハウス・チューン。私にとってすべてといえる恋があったからこそ今の私になれたんだよという精一杯の強がりにも聞こえるいじらしい歌詞は、SILVAが担当。女性視点からの共感度も高そうだ。
07サヨナラの他に
ささやかなやりとりにさえ幸せを感じていた幼い恋を振り返るバラード。オルゴールのような音色のトラックもノスタルジックで、幼さゆえの不器用さやほろ苦い経験までもが素敵な思い出と言えるような日がきたんだねと、過去の自分と向き合う姿が微笑ましい。
08Remember (feat.クレンチ&ブリスタ)
クレンチ&ブリスタを客演に迎えた、松尾潔作詞曲による美メロ・ナンバー。あなたのために私から別れを告げたけれど……とあなたへの切ない想いを、憂いを帯びたアコギとメランコリックなピアノの音色に乗せて歌い上げている。
09Unity-Outro-
10Crescent Moon (DAISHI DANCE remix)
「旅立つ君に」のアナザー・ストーリーといえるリミックス。親友とのすれ違いで生じた心のひびを“三日月”に見立てている。DAISHI DANCEの真骨頂であるアッパー・ハウス風サウンドと効果的に挿まれるクリアなピアノの音色が、爽快感を与えている。