ミニ・レビュー
クラシックの総本山、グラモフォン・レーベルから、一度に4点登場してファンを驚かせた、“ミニマル・エレクトロ”作品たち。クレイグ&オズワルドの作品は、仏系オーケストラ曲の響きを強く残しつつ、シンプルな単位が繰り返される酩酊的な快感をわかりやすく提示。この盤のみ原曲音源付きだ。ジミ・テナーの作品は、元音源に現代作品を多く使用し、もっとも没入的な要素が強い、癖の強い外国料理のような良作。オーケストラのさまざまなサウンドを楽しむかのようなアーフマン作品は、“言葉”の参加などの仕掛けを含め、現代音楽風なインタレストを提供する。オーストリア出身のオーバーマイヤーは、自国の偉大な先達へのリスペクトを強く打ち出し、クラシックの静謐なイメージとクラブ・ビートの融合を試みた作品を仕上げた。これのみ異なるタイトルを持つのも納得の内容。
ガイドコメント
エレクトロ・アーティスト、カール・クレイグとモーリッツ・フォン・オズワルドによる、クラシックの名曲の再構築アルバム。オリジナル音源収録CDとの2枚組で、職人芸が堪能できる作品だ。
収録曲
〈リ・コンポーズド〉[Disc 1]
01イントロ
02ムーヴメント1
03ムーヴメント2
04ムーヴメント3
05ムーヴメント4
06インターリュード
07ムーヴメント5
08ムーヴメント6〈オリジナル〉
[Disc 2]
01ボレロ (ラヴェル)
02スペイン狂詩曲 (ラヴェル)
03組曲「展覧会の絵」 (ムソルグスキー/ラヴェル編)
演奏
[1] カール・クレイグ,モーリッツ・フォン・オズワルド [2] ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団