ミニ・レビュー
古楽器系の軽くビジュアルな音の姿や、仕掛けを利かせてウロコを落とす類のパフォーマンスには与せず、イタリアが生み出したヴァイオリン技法の精華、その喝采へと駆り立てるワザの身振りを真っ向受け止めて、颯と聴かせた快演。いわく“協奏曲”である。
ガイドコメント
五嶋龍の2年ぶりとなる待望のアルバム。メニューインによって設立されたポーランドの室内オーケストラとの競演で、豊かな感性に彩られた演奏を披露している。カップリングの超絶技巧の無伴奏作品も聴きものだ。
収録曲
ヴィヴァルディ:
01「和声と創意の試み」op.8〜協奏曲集「四季」第1番ホ長調RV269「春」
02「和声と創意の試み」op.8〜協奏曲集「四季」第2番ト短調RV315「夏」
03「和声と創意の試み」op.8〜協奏曲集「四季」第3番ヘ長調RV293「秋」
04「和声と創意の試み」op.8〜協奏曲集「四季」第4番ヘ短調RV297「冬」
パガニーニ:
05「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による変奏曲op.9
06「うつろな心」による序奏と変奏曲op.38 (ジョヴァンニ・パイジェッロの歌劇「水車小屋の娘」の主題による、ヴァイオリン独奏のための)
演奏
五嶋龍(VN) (1)シンフォニア・ヴァルソヴィア