ミニ・レビュー
シンガー・ソングライター、永積崇のソロ・ユニットの4作目。ファンキーなラップ・チューンからエモーショナルソウル・バラードまで、ハナレグミならではのスピリチュアルでピースフルな歌声の魅力が全開だ。スチャダラパーのBOSEらもゲストで参加。
ガイドコメント
永積タカシのソロ・ユニット、ハナレグミの4thアルバム。躍動的でファンキーなナンバーからじんわりと胸に染みるバラードまで、多彩な楽曲が収められている。スチャダラパーのBOSEらがゲスト参加。
収録曲
01あいのわ
清々しいサウンドと柔らかく伸びやかな歌声が空間いっぱいに広がるミディアム・ナンバー。コーラスにPolarisのオオヤユウスケが参加した、青空と心地いい日差しを感じさせる爽やかな一曲。TOKYO FM『クロノス』のエンディング・テーマ。
02愛にメロディ
クラムボンの原田郁子が作詞し、東京スカパラダイスオーケストラのメンバーが多数参加したスカ・ナンバー。陽気かつエネルギッシュなヴォーカルとは対照的に、歌詞では月夜の下で甘いキスをする恋人を描く。豪華な面子で作り上げたユニークな一曲。
03光と影
2009年5月にリリースされたシングル。心の中にある“光と影”を描いたミディアム・スロー・ナンバーで、言葉ひとつひとつに心が揺さぶられ、温かく柔らかい歌声が優しく包み込んでくれる。聴くほどに味わいの増す珠玉の一曲。
04Peace Tree (feat.BOSE (スチャダラパー)、AFRA)
AFRAとスチャダラパーのBOSEをフィーチャーしたヒップホップ・ナンバー。AFRAが織りなすヒューマン・ビートボックスとBOSEのなめらかなラップが、永積の生き生きとした歌声と相まって、絶妙な音世界を作り出している。
05PEOPLE GET READY
ハウスメイトのCMソングに起用された、シングル「光と影」のカップリング。カーティス・メイフィールドの同名曲に日本語詞を織り交ぜながらカヴァーしたアコースティック・ナンバーで、アコギとともに耳元でささやくように優しく歌い上げている。
06大安
永積がヴォーカルを務めたバンド、SUPER BUTTER DOGの未音源楽曲を初CD化。ハンド・クラップで始まる彩り豊かなサウンドは常夏を感じさせ、体が自然と踊りだすよう。伸びやかなヴォーカルがどこまでも広がる爽やかな一曲。
07…がしかしの女 (feat.マダムギター)
“マダムギター”こと長見順をフィーチャーしたブルース・ナンバー。いい年の男と女について描いたウィットに富んだ詞をバトルのように歌い上げる。陽気かつ軽快なウエスタン調サウンドとユーモラスな歌声で、ご機嫌になる一曲だ。
08あいまいにあまい愛のまにまに
曖昧な距離の中で揺らぐ大人のほろ苦い恋愛を描いたミディアム・スロー・ナンバー。“きみとぼくは はなれぐみ”と歌うリリックに、優しくも心の持って行き場がない寂しさが感じられ、胸がしめつけられるよう。明るいカントリー調のアウトロが印象的。
09あいのこども
ノスタルジックなサウンドが魅力的なスロー・ナンバーで、クラムボンの原田郁子との共同作。穏やかなアコギと吐息交じりの温かい歌声が優しく包み込んでくれる。聴くほどに考えさせられる歌詞を深く味わってほしい、愛と哀愁に満ちた一曲。