ミニ・レビュー
思いのほかうまい。粒立ちがいいとか、音に濁りがないとか、作りが明瞭明快だってのは、今時の若い人の共通の特徴だが、この人は、構成感の確かなこと、細部の表情がなかなかきめ細かく、結構陰影にも富んでいる。木も見て森も見ることができる俯瞰力を持っている。
ガイドコメント
外山啓介の3枚目のソロ・アルバム。2007年のデビュー以来、全国各地の演奏会で多くの聴衆を沸かせてきた、外山の初のラフマニノフだ。ラフマニノフの名技性と濃密なロマンとをしっかりと捉えている。
収録曲
ラフマニノフ:
01前奏曲嬰ハ短調「鐘」op.3-2
02前奏曲ニ長調op.23-4
03前奏曲ト短調op.23-5
04前奏曲変ホ長調op.23-6
05ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調op.36
06練習曲「音の絵」変ホ短調op.39-5
07練習曲「音の絵」ニ長調op.39-9
08パガニーニの主題による狂詩曲op.43〜第18変奏