ミニ・レビュー
あらゆる音楽を並列して聴けるようになった現代、普遍性をもったスタンダード(標準)=本当の“古典”は何か。それを作り出そうという野心的なプロジェクト(坂本龍一総合監修)が“スコラ”であり、充実のブックレット+CD(音源はレーベルを横断して収録)全30巻が予定されている。第3巻はドビュッシー。その影響は、武満徹はもちろん、ブライアン・イーノやレディオヘッドにまで及んでいる、とする視点が新鮮だ。CD1枚分のみと音源が数少ないのは残念だが、むしろ選りすぐられたエッセンスとして聴くべきだろう。
ガイドコメント
坂本龍一完全監修の音楽全集『スコラ』シリーズの第3弾。印象派音楽の開拓者ドビュッシーに焦点を当て、選曲補者に浅田彰と小沼純一を迎えて、考え抜かれた選曲と充実のブックレットを実現。初心者からマニアまで許容範囲は広い。
収録曲
ドビュッシー:
01忘れられた小唄〜第2曲 巷に雨が降るごとく
02弦楽四重奏曲ト短調op.10〜第1楽章 活気をもって、きわめて決然と
03牧神の午後への前奏曲
04夜想曲〜第1楽章 雲
05海〜第2楽章 波の戯れ
06映像第1集〜第1曲 水に映る影
07映像第2集〜第2曲 荒れた寺にかかる月
08子供の領分〜第1曲 グラドゥス・アド・パルナッスム博士
09前奏曲第1巻〜第11曲 パックの踊り
10聖セバスチャンの殉教〜第1幕 百合の園
11前奏曲第2巻〜第1曲 霧
12フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ〜第1楽章 パストラル
13ヴァイオリンとピアノのためのソナタ〜第1楽章 アレグロ・ヴィヴォ
仕様
特殊パッケージ仕様 (豪華ハードカバーブック仕様)