ミニ・レビュー
シリーズ完結編。手堅いテクスト・クリティークを踏まえつつ、個々の作品の持つリズムやニュアンスの綾を歌に乗せるセンスはさすが。「愛の歌」や「ピラール」他で鈴のような音が聴こえるのが気にはなるが、難曲「イベリア」から詩情豊かな「マジョルカ」「朱色の塔」まで聴きごたえ十分。★
ガイドコメント
上原由記音によるアルベニス作品集の最終巻。シリーズ第1巻から振り分けて収録されてきた組曲「イベリア」の第4巻では、アルベニスが最晩年に到達した芸術の深奥に迫っている。上原の記念碑的シリーズだ。
収録曲
アルベニス:
01組曲「イベリア」 (4巻からなる12の新しい印象)第4巻
02マジョルカ
03「夢」〜愛の歌
04「12の性格的小品集」〜第12番 朱色の塔 (セレナータ)
05「6つのスペイン舞曲」〜スペイン舞曲第2番
06「12の性格的小品集」〜第6番 ピラール (ワルツ)
07「6つのスペイン舞曲」〜スペイン舞曲第3番
08旅の思い出
09ナバーラ