ミニ・レビュー
リリースしたシングルの表題曲とカップリング曲をすべて網羅した初のベスト盤。ディスク1にA面、ディスク2にB面(カップリング曲)をリリース順に並べた。あらためてヒット曲、名曲ぞろいに驚く。封入の直筆メッセージには“これは1つの通過点”と解散の噂を吹き飛ばし、活動続行を誓っている。
ガイドコメント
4人組ヴォーカル・グループ、GReeeeNのキャリア初となるベスト・アルバム。デビュー作「道」から11th「遥か」までのシングルAB両面を収めた充実の内容で、「愛唄」「キセキ」などの話題のヒット曲を満載した豪華盤だ。
収録曲
[Disc 1]〈A DEST!?〉
01道
TBS系『日立 世界ふしぎ発見!』エンディング・テーマに起用された1stシングル。耳なじみのよいピアノのメロディに乗せられる、ラップの見事なハーモニーが温かい。“大事な気持ち見失わず行こう”と歌うポジティヴなメッセージ・ソングだ。
02HIGH G.K LOW〜ハジケロ〜
日本コカ・コーラ「スプライト」CMソングに起用された2ndシングル。しがらみの多い日常から抜け出そうと歌うノリノリのアッパー・チューンで、ロートーンとハイトーンのヴォーカルがうまく絡み合った熱いヒップホップに仕上がっている。
03愛唄
愛する人への純粋で深い想いを綴ったラヴ・ソング。美しいメロディと心に沁みる飾り気のない歌詞が魅力的で、清々しいコーラス・ワークにも耳を引かれる。若者だけでなく年齢層問わず共感できる、エヴァーグリーンな楽曲となっている。
04人
別れた人との思い出を大切にしながら、自分は自分の道を歩もうと歌うセルフ応援歌。“自分らしくあれ!!!”というポジティヴなメッセージがストレートに心に響く。ほのかに懐かしいメロディと優しいラップ&コーラスが心地よい。
05BE FREE
映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』主題歌となった5thシングル。切なさを醸し出す繊細で美しいピアノと重みを感じさせるギターが絡むことで、楽曲に力強さが備わった。儚い世界でも前を向こうという想いが心に響くナンバーだ。
06涙空
穏やかなサウンドに癒されるメロディアスなバラード。我慢しなくていい、辛いのなら“ありのまま涙流そう”という、心にすっと入り込む優しい詞が涙腺を刺激する。温かみのあるハーモニーが明日へのエールを送ってくれているようだ。
07旅立ち
夢のために旅立つ彼女への気持ちを綴った一曲。寂しさを抑えながら“泣いて帰ったら許さねー!”と笑顔で見送る決意をした僕の温かさが感じられる。サウンドも切な過ぎず、前向きになれるような爽やかな仕上がりになっている。
08キセキ
TBS系ドラマ『ROOKIES』主題歌となった7thシングル。“愛しい君”へのピュアな想いを綴ったメロディアスなラヴ・ソングで、一度聴いたら耳から離れない鮮やかなサビが印象的。4人それぞれの歌声が絶妙なバランスを保っている。
09扉
頑張っている人たちへの応援ソング。一歩を踏み出す勇気を与えてくれる歌詞と心地よく響くメロディアスなピアノにより、ハートフルかつキャッチーな仕上がりになっている。ヤマザキパン「ランチパック」CMソング。
10冬のある日の唄
8thシングル「扉」初回限定盤付属シングルに収録された、彼ら初のクリスマス・ソング。飾らない言葉で綴った素朴な歌詞だが、凝った表現がない分ストレートに心に届く。優しいハーモニーとロマンティックなメロディに心温まるナンバーだ。
11歩み
“どんな一歩も 無駄にはならない”という励ましのメッセージを力強く歌う、進み続けることの大切さを教えてくれるナンバー。軽快に鳴るヴァイオリンからも希望を感じる。ユーキャンの2009年キャンペーン・ソング。
12刹那
フジテレビ系ドラマ『ヴォイス〜命なき者の声〜』主題歌となった10thシングル。“生きる意味”をテーマに、悲しみや辛さを経験しながらも自分を信じて力強く生きていくことが大切だと歌う。美しいメロディと芯のある歌声が心に深く染みわたる一曲。
13遥か
卒業をテーマにしたバラード。自分を信じて背中を押してくれる両親の温もりに触れた詞が秀逸で、不安を抱えながらも旅立ちの強い意志を歌い上げた壮大なサビが感動を呼ぶ。映画『ROOKIES -卒業-』主題歌。
[Disc 2]〈B DEST!?〉
01絆
人と人との“絆”をテーマにした、疾走感あふれる清々しいポジティヴなナンバー。ともに夢へ向かって飛び出す勇気を分け合うような詞が、爽やかなサウンドとよくマッチし高揚感を与える。4人の晴れやかな歌声も魅力的。
02DREAM
若者に向けたメロディアスなヒップホップ・チューン。希望や夢を叶えたいなら、辛くてもあきらめない強い意志を持って立ち上がれ! と奮い立たせる。厚みのあるギター・サウンドに乗せた、諭すようなラップが耳を引く。
03UNITY
晴々としたハーモニーから始まるノリノリのパーティー・チューン。夢に向かってともに進んでいく彼ら4人について描いた詞を、それぞれの声質を活かしたパート編成で歌う。ずっしりとしながらも軽快に鳴るギターが楽曲に躍動感を与えている。
04街
インディ時代から親交のある女性シンガー、mayulaをゲストに迎えたミディアム・スロー・バラード。自分にも他人にもちゃんと向き合えずに生きていた過去を改め、今を誇れるようになった心情を描く。ソフトなサウンドと落ち着いた歌声が心地よい。
05東南西北〜全員集合!!!!〜
ノリノリの見事なラップを披露するヒップホップ・チューン。チープかつヘヴィなサウンドに乗せて、ピーターパン・シンドロームな彼ら4人のダウナーな心情を歌う。ポジティヴなナンバーを得意とする彼らには珍しいユニークな仕上がり。
06ルーキーズ
新たな道を歩みだす“ルーキーズ”に向けたメッセージ・ソング。力強い歌声と、“案外モロイ!世界は広い!”と若者を奮起させる歌詞には希望が満ちている。壁を乗り越える勢いを与えてくれるアッパーなサウンドが痛快。
07君想い
側にいる大切な人への想いを綴ったミディアム・ナンバー。アコギを取り入れることによって素朴でピュアなイメージを演出し、柔らかいラップ・パートや女性コーラスが安心感を与える。NHKドラマ『七瀬ふたたび』主題歌。
08少年が故の情熱
少年時代の純粋な想いを忘れずに生きていこうと歌うナンバー。軽快なサウンドと弾む歌声は、心を澄みわたらせる。大人になるにつれて失くした気持ちを取り戻させてくれるような、キラキラした懐かしさを感じさせる。
09あの頃から
“新しい出会いはそこにあるから!”と前向きに進もうとする失恋ソング。悲しみからやっと立ち直ることができた心情を切なく描くが、カラフルなサウンドのサビが希望を与えてくれる。イントロで差し込まれるラップが印象的。
10アメアガリ
別れた彼女との思い出を振り返り、自分の過ちに対する後悔の念を綴った哀愁漂うナンバー。遠い記憶をたどるような淡いサウンド上の微かな歌声が、いっそう切なさを伝える。“虹が見えないよ”という女性の声も効果的。
11声
インディ時代から歌っているという、初心の想いが詰まった一曲。ともに過ごした時間を心に刻み、これからもともに進むために大事な気持ちを探しに行こうと歌う。アウトロの“ラララ……”というコーラスと美しいストリングスの響きが心の奥に染みわたる。