ミニ・レビュー
片桐舞子(vo)と河井純一a.k.a. NAUGHTY BO-Z(trackmaker)によるユニットのセカンド。ヒップホップやニュー・ジャック・スウィングなどを独自の感性で料理したバック・トラックの上を、優しくも力強い片桐のヴォーカルが自在に舞う。“さまざまな愛の形”を歌った歌詞世界にも感動。
ガイドコメント
男女2人組R&Bユニットの2ndアルバム。「I WISH」「I LOVE YOUが言えなくて」などのシングルのほか、インディ期の名曲「JULY」も収録。May.J、JAY'EDといった豪華なフィーチャリング・アーティストも参加した注目盤。
収録曲
01ONE LOVE〜100万回のKISSでアイシテル〜
大好きな人へ、思いの丈を伝えるパワフルなラヴ・ソング。“100万回のKISSでアイシテル”と歌うフックは、一度聴いたら口ずさめそうなほどキャッチー。テレビ朝日系『お願い!ランキング』エンディング・テーマ。
02恋をしてた〜Say Goodbye〜 (MAY'S×May J.)
03HERO☆HERO (feat.WISE)
バイリンガル・ラッパー、WISEを迎えたR&Bナンバー。“あなたは私のヒーロー”と片桐がセクシーかつキュートに投げかけると、“お前は俺のプリンセスさ”とWISEが無骨なフロウを展開。二人のムーディなレスポンスに酔ってしまいそう。
04あなたが好きです。
告白する決意を固めようとする女の子の心情を描いたラヴ・ソング。ピアノやストリングスと跳ねるような打ち込みサウンドが、期待に胸を膨らませる様子を上手に演出。どこかウキウキとしたヴォーカルも魅力的な、恋するすべての女の子への応援歌だ。
05I WISH
ハイトーン・ヴォーカルで固い愛情と永遠の誓いを歌い上げた、ミッド・テンポのウエディング・ソング。“ずっと一緒”“幸せになれるよ”といった“定番”ワードが並ぶなかで、“慣れない苗字も今は嬉しくて”というリアルな一節が際立っている。
06Amazing
2ndアルバム『Amazing』収録の、趣向を凝らしたゴスペル調トラック。片桐舞子を軸としたコーラス隊によるエネルギッシュなア・カペラで始まり、追いかけるようにビート・プログラムが加わっていく。コーラスのアレンジも片桐自らによるもの。
07Is this LOVE??
片桐がプロデュースを手がけた、恋する女の子を描いたミッド・チューン。意中の男性に彼女がいるのかを心配するAメロはマイナーに、彼女がいないと分かるBメロはメジャーのサウンドに仕立てて、めまぐるしく変化する女心を分かりやすく表現している。
08TOKYO DRIVE (feat.DJ WATARAI、DABO)
DJ WATARAIとDABOをフィーチャーして、二人の夜のドライヴを描写したR&Bトラック。片桐の色っぽいヴォーカルが、ハイウェイのアスファルトのようにひんやりとしたDABOのラップを鈍く照らし出す。なまめかしいエレキの音も効果的。
09線香花火
大好きな女友達との別れを惜しみながら“離れ離れでも 一緒だよ”と伝えるミドル・チューン。アコギとシンセを融合させたトラックに、語りかけるようなヴォーカルを乗せた、柔らかい印象のナンバー。線香花火を女同士で楽しむというシチュエーションもオツ。
10I LOVE YOU が言えなくて
友達のあの人のことが、本当は好きでたまらない……そんなやるせない想いを、鍵盤を前面にフィーチャーして描写したミディアム・バラード。“誰のものにもならないで”という連呼に胸が詰まる。TBS系『ランク王国』オープニング・テーマ。
11Come back to me.
アルバム『Amazing』中盤に置かれた、場面転換的な役割のスキット。アコギとキーボードによる軽めのサウンドのループに、タイトルを含んだ短い英詞をリフレイン。雷雨のSEを全体に敷いて、ドラマティックに仕上げている。
12JULY (Album Version)
1stアルバム『Beginning』で“Piano Version”として収録されたナンバーの“Album Version”。心が離れつつある二人の姿と心境を、ストリングスやサックスを配した壮大なサウンドに乗せて吐露したバラードだ。
13My Little Angel
まだ小さなわが子へ寄せる母親の愛情を描いた、“たった一人のママのSweet Sweet Baby”と歌うミドル・チューン。シンセやアコギといった定番のサウンドとともに加えられた鈴やクラップのアレンジが、人の温もりや可愛らしさを演出している。
14MaMa (2009)
アルバム『Beginning』収録曲の“2009”ヴァージョン。ストリングスやコーラスを取り入れた重厚なサウンドで“Mama”への感謝を綴った、感動的なミッド・チューンだ。TBS系『がっちりマンデー!!』エンディング・テーマ。
15♯1 My Song
“願い、愛、心、夢、光と陰……すべてを君のために歌いたい”という、歌うことに対する片桐の信条をそのまま歌詞にしたともいえそうな、約1分のア・カペラ・トラック。リズムやコードを巧みに駆使した、片桐によるコーラス・アレンジの妙が光る。
16永遠
2010年公開映画『音楽人』挿入歌となった、アコースティック・サウンドが映えるバラード。坂道を先に歩くあなたが“大丈夫?”と振り返る……といった、日常の何気ないシーンから愛情を見いだす身近な歌詞が、すんなりと曲の世界観に引き込んでくれる。