ミニ・レビュー
ハンガリー出身のウィーンの名手クラウスは“モーツァルト弾き”として広く認められた演奏家である一方、第2次大戦中ジャワ島での抑留という、日本との数奇なる縁をもつ存在。演奏面では明らかに実演の人として認知されており、その至芸を偲ぶ唯一の手段である録音の数々には、そのすべてに但し書きが付される。米ヴァンガードに遺された晩年の演奏もそうした“条件付き”の名演集。モーツァルトを思わせる清楚なシューベルト、作曲家直伝のバルトーク、聴きごたえのある演奏が並ぶ。しかし、当時の水準以下の録音、調整今ひとつの楽器、などなど。ね。
ガイドコメント
クラウスがヴァンガードに遺した、シューベルトとバルトークをまとめたBOX。クラウスはシューベルトの評価は高く、またハンガリー生まれだけに、バルトークにも定評があった。いずれも名演といわれている録音だ。
収録曲
シューベルト:
[Disc 1]
01ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960
02幻想曲「さすらい人」ハ長調D.760 op.15
[Disc 2]
01ピアノ・ソナタ第16番イ短調D.845 op.42
02ピアノ・ソナタ第13番イ長調D.664 op.120
[Disc 3]
014つの即興曲D.899 op.90
024つの即興曲D.935 op.142●バルトーク:
[Disc 4]
01ルーマニア民族舞曲Sz.56
02民謡旋律による3つのロンドSz.84
033つのハンガリーの民謡Sz.35a
04ソナチネSz.55
0515のハンガリー農民の歌Sz.71
06「10のやさしいピアノ小品」Sz.39〜田舎の夕べ
07「こどものために」第1巻Sz.42
録音
[1] 79.1 [2] 69. [3] 67. [4] 80.11