ミニ・レビュー
2010年最初の大ヒット・アルバムと言っても過言ではない、2MC&1DJのヒップホップ・ユニットによるベスト盤。とにかくどこから聴いてもキラー・チューンの嵐で、ポップで切なくてキャッチーなメロディが飛び込んでくる。ズドンとまっすぐに心に届いてくる歌詞にも注目。
ガイドコメント
2010年2月10日発表の初のベスト盤。デビュー曲「そのまんま東へ」から12th「涙/夢」までのシングルや、配信限定の「ふるさと」などを収めた充実の内容。映画『ラブファイト』エンディング曲「希望の唄」ほか、タイアップ曲も満載だ。
収録曲
[Disc 1]
01希望の唄
ギターのアルペジオが印象的な、澄んだサウンドのポップ・チューン。まっすぐ胸に響く感謝の言葉を綴った、大切な人へ送るメッセージ・ソングとなっている。映画『ラブファイト』の主題歌に起用された9thシングル。
02ヒーロー
毎日朝から晩まで働いて家族サービスまでしてくれるお父さんへ向けた応援歌。いっけん冴えないサラリーマンでも家族にとってはヒーローなんだと、一家の大黒柱への感謝も込められている。日本テレビ系『ズームイン!!』2009年秋のテーマ・ソング。
03Lovin'Life
どんな世代の人でも胸の奥の方がじんわり温かくなるような優しいバラード。愛する気持ちをストレートな言葉にして、春の香りが漂うのどかなトラックにそっと添えた、どこまでもまっすぐなラブ・ソングだ。
04告白
タイトルも詞も直球勝負の彼ららしい、ストレートなラヴ・ソング。うまく言えない不器用な男の歌で、青春くさい甘酸っぱささえ感じられる。告白するときはもちろん、結婚式やあらゆる恋愛場面に似合う定番ソングになりそうだ。
05ALWAYS
ジャケットにそのまんま東、山田花子を起用して何かと話題の彼らだが、今回は高校サッカーで活躍したペナルティ。スポーツマンをジャケットに起用したのも元気な応援ソングであるゆえか。ド派手なサウンドで疾走するポップ・ロックは、爽快感この上ないメッセージ・ソングだ。
06ちっぽけな勇気
誰もがぶつかる人生の壁や不安。そんな時、自分自身をもう一度見つめ直そう! と思わせてくれる等身大な言葉たちが心を打つナンバー。まるでライヴで聴いているような臨場感の漂うヴォーカルが、よりリアルに心へ迫ってくる。
07桜
2007年の「Lovin' Life」から2年ぶりとなる、ファンモン流“桜ソング”。“ありがとうの涙”というフレーズが想いのすべてを物語る極上のラヴ・ソングだ。優しいサウンドと歌詞があいまって涙を誘う。
08涙
流した涙が背中を押してくれるから悔しさをこらえることはないと綴るメッセージ・ソング。笑顔になれるなら感情を解き放てばいいと歌う実直なヴォーカルが胸を打つ一曲で、ドラマティックな展開が涙腺を刺激する。ユーキャン2010年キャンペーン・ソング。
09もう君がいない
大好きな彼女から別れを告げられた瞬間を歌った6thシングル。あふれる涙を止められない男の心情が、サビの美しいコーラスとあいまって心に突き刺さる。ドラマのような情景描写が見事な、直球に涙腺を刺激するバラードだ。
10恋の片道切符
シャイな男の子の片想いがテーマの2ndシングル。プロデュースとアレンジをNAOKI-Tが手がけ、メロウなラブ・ソングに仕上げている。切ない想いを乗せた歌詞、列車の振動音のような規則的なリズムが印象的。
11そのまんま東へ
グループも、曲名も“既製品”をもじった、サンプリング世代ならではのヒップホップ・ナンバー。そうした人を喰った部分とは裏腹に、楽曲そのものは「信じた道をマイペースで進め」と促す実直な歌詞。泣きの要素を多分に含んだアップ・テンポなトラックは、ケツメイシの曲にも通じる歌モノ・ヒップホップの魅力を放っている。
12旅立ち
映画『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』の主題歌となった7thシングル。未来へ向かう前向きな言葉が満載の応援歌だ。一歩踏み出したいときや新たな世界へ旅立つ人へ送る歌としてピッタリの、さわやかなポップ・ナンバー。
[Disc 2]
01夢
一度描いた夢はずっと待ってるからこれから迎えに行こう、と歌うポップ・チューン。人のせいや年のせいにして夢から離れたのは自分だろう、と忘れかけていた感情を思い出させてくれる一曲だ。ユーキャン2010年キャンペーン・ソング。
02メロディーライン
涼しげなエレクトロ・サウンドによる近未来感満載のトラック。耳になじむ“メロディーライン”が心地よく、軽快なリズムに体も自然と揺れる。“世界中にこんなmusicを”というファンモンの願いを込めたメッセージが印象的な、フロアを盛り上げるアンセム。
03ナツミ
軽快なサウンドがさわやかな夏の空気を思わせるサマー・ポップ・チューン。“国道”“並木道”“海岸線”とそれぞれの場面ごとに昔の恋を思い返していく。センチメンタルな想いがストレートに響く、切ないラヴ・ソングだ。
04GO!GO!ライダー
フラッシュ・アニメ『THE FROGMAN SHOW』オープニング・テーマ。「最高じゃない」の叫び声とサンバ・ホイッスルが交錯する、お祭り騒ぎ状態のハイテンション・ソング。その中身は、今夜一晩お願いしたいという下心!
05One
小粋なカッティング・ギターの上に流れるのは、前向きに生きることの大切さ、誰もが持っている“何か”に気付かせてくれるリリック。落ち込みがちな人にお勧めの応援ソングだ。これぞ王道ポジティヴ・ヒップホップ。
06明日へ
これまで歩んできた道は間違っていないと、これからも輝ける時を目指していく意志を綴ったミッド・ナンバー。ノスタルジックなサウンドと柔らかいメロディが沁みる一曲で、何かしたくてもどうしていいか分からないと悩む若者に一歩踏み出す勇気をくれる。
07大丈夫だよ
東国原宮崎県知事の「宮崎の応援歌を」というオファーを受け、完成したミディアム・スローの応援ソング。日々のストレスやプレッシャーにも負けずに、ゆっくり行こう……という歌詞は、県民というより知事向けの感じも。
08風
初秋の香りとともに昔の恋人を思い出すラヴ・ソング。徐々に薄れゆく記憶や感触を憂うなか、鮮明に思い浮かぶ笑顔を懐かしく噛み締める。涼しげなトラックに別れてしまった後悔をストレートに綴った詞が相まって、とてもせつない。
09ぼくはサンタクロース
10おかえりなさい
遠距離にいる相手を気遣い心配する詞とやわらかいサウンドが見事にマッチした、大切な人に捧げるミディアム・ナンバー。アコギの音色が心地よく響く、落ち込んだときや挫けそうなときに励ましてくれそうな心温まる一曲だ。
11ふるさと
12西日と影法師
DJケミカルが初プロデュースを担当。歌詞にも出てくる生まれ育った東京・八王子への愛が込められたノスタルジックなナンバーで、子供の頃の情景を呼び起こしてくれる歌詞が涙を誘う。思い出と今が融け合う全世代対応型ソング。