ミニ・レビュー
「ヨゼフの伝説」だけでも珍しいのに、R.シュトラウスが書いたバレエ音楽3作品すべてを録音した前代未聞のアルバム。「ヨゼフの伝説」はバレエ・リュスのディアギレフの委嘱によって書かれた作品。「春祭」の向こうを張った4管編成の力作ながら、今日ではあまり舞台にかけられるチャンスがない。若杉の棒はオーケストラの妙味とシュトラウスのロマン性を過不足なく引き出す。併録は20歳までに書かれた交響曲とロマンツェ。これまた希少な録音。演奏の精度と解釈の的確さは万全で、今さらながら若杉の意欲と情熱に脱帽。
ガイドコメント
世界的にも価値の高い、若杉弘が残したR.シュトラウスのバレエ音楽集。全曲盤がほとんどない状態だけに、貴重な録音である。また二十歳のシュトラウスが描いた交響曲も珍しい。演奏の質も非常に高い。
収録曲
R.シュトラウス:
[Disc 1]
01バレエ「ヨゼフの伝説」op.63
[Disc 2]
01バレエ「お菓子のクリーム」op.70
[Disc 3]
01舞踏幻想「いにしえの祭り」〜舞踏組曲-フランソワ・クープランのクラヴサン曲による/ディヴェルティメントop.86-フランソワ・クープランのクラヴサン曲による小オーケストラのための
[Disc 4]
01交響曲ヘ短調op.12
02ロマンツェ ヘ長調AV.75
演奏
若杉弘指揮 東京都交響楽団 [4] (2)藤原真理(VC)
録音
[1] 87.7 [2] 88.7 [3] 89.7 [4] 93.7