ミニ・レビュー
ベートーヴェンの「春」はいくらか優等生的ではあるが、サン=サーンスのソナタはよりこなれた表情だ。最も素晴らしいのは「パガニーニアーナ」で、その柔軟さと若々しい息吹は聴きごたえがある。「序奏〜」も背筋のピンと張った音色が耳に飛び込んでくる。
ガイドコメント
五嶋龍の4枚目のアルバムは、わずか5分でチケットが売り切れた2009年の東京公演を収録したライヴ盤。重量級の曲の間に挟まれたミルシュタインの「パガニーニアーナ」の洒脱さが、五嶋の成長を物語っている。
収録曲
01ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調op.24「春」 (ベートーヴェン)
02パガニーニアーナ〜ヴァイオリン独奏のための変奏曲 (ミルシテイン)
03ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調op.75 (サン=サーンス)
04序奏とロンド・カプリチオーソop.28 (サン=サーンス)