ミニ・レビュー
19→20番ときた作品集は、今回は21番へは行かず第14番に。一音一音のすべてに限りない慈しみを込める伊藤の演奏は、本作でも深く純度の高い音と沈黙を聴かせ、耳を捕らえて離さない。技巧の確かさはもとより、シューベルト特有の憧憬と諦観のアンビヴァレントな情感を陰影豊かに描き、見事だ。★
ガイドコメント
伊藤恵のシューベルト・シリーズの第3弾。今回は中期のソナタと有名な「楽興の時」、そして最晩年の「3つのピアノ曲」という組み合わせ。伊藤の透徹した譜読みから生まれた新たなシューベルト像がここにある。
収録曲
シューベルト:
01ピアノ・ソナタ第14番イ短調D.784 op.143
02楽興の時D.780 op.94
033つのピアノ曲D.946