ミニ・レビュー
残響レコードが放つ4人組インスト・バンドの4枚目のアルバムは、ヴォーカル不在ながらうたごころあふれる一枚。ポスト・ロック以降の叙情性とニューウェイヴ的な耽美性を併せ持ち、耳をつんざく轟音ギターと肉感的なグルーヴでエモーショナルな空気を演出している。
ガイドコメント
2004年に結成されたインストゥルメンタル・バンド、teのデビュー・アルバム。ギター、ベース、ドラムが三位一体となって重厚なサウンドを構築。ほのかに感じられる抒情性も印象的だ。
収録曲
01決断は無限の扉を開くのでは無く無限の誤謬に『終止符』を打つ。
02天涯万里、必然を起こすは人に在り、偶然を成すは『天』に在り。
03秤を伴わない剣は暴走を、剣を伴わない秤は『無力』を意味する。
04夜光の珠も闇に置けば光彩を放つが白日に曝せば『魅力』を失う。
05勝望美景を愛し、酒食音律の享楽を添え、画に写し『世』に喩え。
06性は危険と遊戯を、つまり異性を最も危険な『玩具』として欲す。
07人々が個を偉人と称する時が来れば彼は既に『傀儡』へと変わる。
08闇に残る遅咲きは、艶やかな初花より愛らしく『夢』と共になり。
09逆さまにゆかぬ年月、幸福に最も近い消耗がまた『明日』も来る。
10自由と孤立と己とに充ちた現代に生きた犠牲として訪れる『未来』
11瞼の裏に夜明けの眠りが、閉じた瞳と思い出に『目覚め』を求む。
12『参弐零参壱壱壱弐伍壱九参壱伍九伍弐壱七伍伍伍四壱四壱六四』