ガイドコメント
2010年7月発表のアルバム。コンサートの最後にファンとメンバーが声を合わせて叫ぶフレーズ“We are SMAP!”をテーマに、ダニエル・パウター、槇原敬之といったアーティストが楽曲を制作した豪華な一作。
収録曲
[Disc 1]
01We are SMAP!-Funky Lude-
19thアルバム『We Are SMAP!』のオープニング。44秒という短いトラックだが、スクラッチやクラップにシンセを巧みに盛り込んで“S・M・A・P”と連呼するファンキーなものとなった。詞曲は久保田利伸が担当。
02SWING
タイトルどおりスウィング・ジャズ調に仕立てた洒落たアッパー・チューン。ノーナリーヴスの西寺郷太とその盟友・谷口尚久のプロダクションで、思いのままリズムに乗って行こうとメッセージする。高鳴るホーンに乗せられ、メンバーの歌唱も舞い上がる風に楽しげだ。
03僕の素晴らしい人生
森大輔制作によるクラブ・ジャズ・ファンク調のアダルトなナンバー。アフター・ビート風の鍵盤が走るトラックを彩る、花の回りを飛び交う蝶のように弾むフルートが印象的。人生はなるようになるさ、という中居・木村・草〓のメイン・ヴォーカル曲。
04そっと きゅっと
草〓剛主演のフジテレビ系ドラマ『任侠ヘルパー』主題歌となった44thシングル。派手な印象はないが、“そっと きゅっと”手を握るようにじんわりと伝わるぬくもりが感じられる。時間とともに胸に染み込むメロディは、久保田利伸が作曲。
05Trust
小室哲哉制作によるエレクトロなナンバー。エフェクトを駆使したヴォーカルがうねるようなメロディ・ラインをなぞる楽曲は、ブラック・アイド・ピーズやエイコンあたりの雰囲気を想わせる。“僕を信じて!”と一気に開放感を得るコーラスは、小室サウンドの真骨頂だ。
06FEEL IT
韓国人作家陣による全英詞のグルーヴィなナンバー。シーンを席巻するK-POPグループの楽曲同様に、「ギヴ・ミー・アップ」のような80年代を意識したユーロビート作風が特色。ポップを強調し過ぎないスタイリッシュな味付けは、コリアンタッチならでは。
07GAIAにおねがい
ティカ・αことやくしまるえつこと永井聖一の相対性理論メンバーが詞曲を手掛けたミディアム・ロックで、浮遊感あるギターの音色が印象的。君の存在の大きさをスケールの大きな世界観で描いた詞を、稲垣・草〓・香取の3人が優しいタッチで歌う。
08ひなげし
穏やかで爽やかなメロディ・ラインで奏でられるミディアム・スロー・バラード。ひなげしの花言葉“別れの悲しみ、慰め、感謝、休息……”の想いを心から届けたいという気持ちを、温かいまなざしのごとく歌い伝える。遠くへの旅立ちを送り出す曲だ。
09短い髪
香取と草〓によるハートフルなナンバー。ひとり眠る夜や冷蔵庫に貼られたままのレシピに、先立たれた愛する人の影を感じる男のやるせない気持ちを歌う。涙腺をくすぐるコーラスのファルセットなど、切なくもホッとさせる旋律はゲントウキの田中潤によるもの。
10Magic Time
サカナクションの山口一郎が詞曲を手掛けたミディアム・ポップ。暗い夜の中へ二人きりで歩き出す不思議な瞬間を、私小説的に綴った詞が印象的だ。過不足ないホーン・アレンジが、暗闇を照らす光のように希望を与えてくれる。
11Love&Peace Inside?
「世界に一つだけの花」の続編ともいえる槙原敬之制作曲。「世界に〜」のそれぞれが違う個性でいいという主張から、自分が変われば世界も変わるはずとテーマも普遍的なものに。優しく問いかけるような歌唱が心を灯す、ピースフルなナンバーだ。ソフトバンクモバイルCMソング。
12We are SMAP!-Bounce Lude-
久保田利伸が手掛けた約1分弱の19thアルバム『We Are SMAP!』のインタールード・トラック。バウンシーなファンキー・トラックをバックにした“We are SMAP!”のコールとともにリスナーの高揚を煽る。
13SMAPのポジティブダンス
石野卓球サウンド全開のテクノ・チューン。ネガティヴ思考はひとまずおいて、ポジティヴに生きようと単純明快にアドヴァイス。淡泊に歌うヴァースやコミカルなラップ・セクションを経た爽快なコーラスへの展開は、実に清々しい。
14Going Over
僕らのスタイルで新たな日常をスタートさせよう! というフレッシュな心意気を歌う。陽気でハツラツとした雰囲気が、RIP SLYME制作曲らしい。木村のラップ・パートが、曲の引き締めに一役買っている。福富幸宏のアレンジも効果的だ。
15Cry for the Smile
ダニエル・パウター作曲のホープフルなナンバー。冬を乗り越えた蕾が春に花を咲かせるように、悩み多く涙する日々が続いてもきっと強くなれるという励ましのメッセージだ。ファルセットの英詞パートや、だんだんと光が射し込むような終盤の中居のソロ・パートにも注目。
16We are SMAP!
爆笑問題の太田光作詞、久石譲作曲のファンタジックなナンバー。久石らしい活き活きとした輝かしいオーケストラ・サウンドや朗らかな児童合唱団のコーラスをバックに、自らが経験してきた冒険を次世代へ渡そうと誓う。物語風仕立ての「クーザ」日本公演イメージ・ソング。
[Disc 2]
01Memory〜June〜
N.マッピー名義で詞も手掛けた中居正広のソロ曲で、もう一度会いたいある人への思いを歌う。ある人とは冒頭のセリフや中盤の「ジャム」や「スムース・クリミナル」を思わせるパートから、2009年6月に逝去した中居の憧れの存在、MJ=マイケル・ジャクソンだとわかる。
02君のままで…
デイヴィッド・フォスターによる美麗なメロディが印象的な木村拓哉ソロ曲。いつも隣で手を差し伸べるから、君は君のままで歩いていけばいいという見守りソングだ。哀愁漂うゆったりとした導入から気高く清廉としたパートへの展開が魅力。
03愛や恋や
上品なスウィング調で展開する、シャレたジャジィな稲垣吾郎のソロ。ホーン隊や軽やかに踊る鍵盤に後押しされて、微笑みがこぼれるように歌う。次第に胸に幸せが満ちていくような、多幸感にあふれたハッピー・ラヴ・ソングだ。演奏はSmappies。
04帰って来たヨッパライ
草〓剛によるザ・フォーク・クルセダーズのカヴァー。バンジョーを強調しながらクラリネットとサンプリングを巧みに挟み込むコミカルなアレンジは、DJパロディ・ギャングこと小西康陽の独壇場。時々現れる神様の声は、笑福亭鶴瓶が担当。
05No Way Out
演奏も参加したLOVE PSYCHEDELICO制作の香取慎吾ソロ。ビートルズ愛あふれるこれぞ“デリコ”サウンドがてんこ盛りな軽快なロックだ。一見軽やかだが非常に難しい歌唱を、声を張って歌うことで香取らしい味を生んでいる。夢見る人生は美しいという青春賛歌だ。