ミニ・レビュー
近年は表舞台から遠ざかっているティーポの逸品。どの曲も指の腹でやさしく鍵盤を撫でるような柔らかさと温かさがあふれている。けれども決して音楽は停滞せず、正攻法に端整に流れていく。シャイーのRCA録音は珍しいが、どれも明るくセンス満点で理想的伴奏。
ガイドコメント
イタリアの名ピアニスト、ティーポの数少ない録音のうちのひとつ。かつてプラッツからリリースされていたもので、女声的な繊細さと堅固な構築力をあわせ持つ希有なピアニストであることがうかがえる。
収録曲
モーツァルト:
[Disc 1]
01ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノーム」
02ピアノ協奏曲第8番ハ長調K.246「リュッツォウ」
[Disc 2]
01ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
02ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
演奏
マリア・ティーポ(P) リッカルド・シャイー指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団