ミニ・レビュー
スロヴァキア出身の名歌手ポップ。コロラトゥーラから次第にリリコへと変貌し、深みのある歌唱を聴かせるようになった80年代後半から91年の録音である。どれも見事な歌唱だが、懐かしい舞台姿が目に浮かぶシュトラウスのアリア集がひときわ光彩を放つ。
ガイドコメント
ドイツを代表するソプラノ、ポップがRCAに残した3枚のCDをまとめたもの。愛らしい魅力の<名唱集>、名盤といえるR.シュトラウスの<オペラ・アリア集>、知的で現代的な歌唱が冴える<歌曲集>からなる3枚組。今さらながら早すぎた死が惜しまれる。
収録曲
[Disc 1]〈ルチア・ポップ名唱集〉
01ヴェスペレK.339〜主をほめたたえよ (モーツァルト)
02歌劇「イドメネオ」〜いとしい人よ、心配しないで下さい (モーツァルト)
03「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」K.165 (モーツァルト)
04歌劇「セルセ」〜オンブラ・マイ・フ (ヘンデル)
05歌劇「ジュリアス・シーザー」〜夜は青く (ヘンデル)
06カロ・ミオ・ベン (ジョルダーニ)
07アヴェ・マリア (シューベルト)
08最後の春op.33-2 (グリーグ)
09あしたop.27-4 (R.シュトラウス)
10私は花束を編みたかったop.68-2 (R.シュトラウス)
11あなたの歌がひびいた時op.68-4 (R.シュトラウス)
[Disc 2]〈R.シュトラウス:オペラ・アリア集〉
01歌劇「カプリッチョ」〜月光の音楽〜フィナーレ お兄さまはどちらへ? (R.シュトラウス)
02歌劇「ばらの騎士」〜元帥夫人のモノローグ やっと行ったわ、思いあがったいやな人 (R.シュトラウス)
03歌劇「アラベラ」第1幕フィナーレ〜私のエレメール! (R.シュトラウス)
04歌劇「アラベラ」第2幕〜そして、あなたは私の主人となり (R.シュトラウス)
05歌劇「アラベラ」第3幕フィナーレ〜本当によかったですわ、マンドリーカ (R.シュトラウス)
[Disc 3]〈ユーゲントシュティール時代の歌曲集〉
017つの初期の歌 (ベルク)
024つの歌曲op.2 (シェーンベルク)
03だから春の空はそんなに青いの?op.2-2 (プフィッツナー)
04孤独な女op.9-2 (プフィッツナー)
05母なるヴィーナスop.11-4 (プフィッツナー)
06捨てられた娘op.30-2 (プフィッツナー)
07わたしのまどろみはしだいに浅くなりop.2-6 (プフィッツナー)
08ばらの死op.7-5 (シュレーカー)
09遊糸op.2-1 (シュレーカー)
10おまえたちはかくも美しい (シュレーカー)
11無限の愛op.4-2 (シュレーカー)
12オフィーリアの3つの歌op.67 (R.シュトラウス)
13風雨をしのぐ宿op.46-1 (R.シュトラウス)
14青い夏op.31-1 (R.シュトラウス)
15子守歌op.49-3 (R.シュトラウス)
16わたしはただようop.48-2 (R.シュトラウス)
演奏
ルチア・ポップ(S) [1] クルト・アイヒホルン指揮 ミュンヘン放送管弦楽団 (1)バイエルン放送合唱団 (2)ギュンター・サルバール(VN) [2] ホルスト・シュタイン指揮 バンベルク交響楽団 (1)ワルター・ツェー,(4)(5)アラン・タイトス(BR) [3] アーヴィン・ゲージ(P)
録音
[1] 86.11 [2] 88.3 [3] 91.3