ミニ・レビュー
「悲劇的序曲」はバスを利かせつつ、流れよく歌うさまがいかにも若杉流。70年代に録音された「ピアノ四重奏曲」は、この作品の受容史的にも重要なもの。今の耳で聴けば、声部バランスにより一層の配慮がほしい部分も散見されるが、同時に管楽器をやや目立たせるなど、個性も見られる。
ガイドコメント
かつてコッホシュワン・レーベルでリリースされていたものの再発表。名演として高い評価を得ていた録音で、今回リマスタリングによって大幅に音質が向上した。中でもシェーンベルク版のピアノ四重奏曲は聴きものだ。
収録曲
ブラームス:
01悲劇的序曲ニ短調op.81
02ピアノ四重奏曲第1番ト短調op.25 (管弦楽版) (シェーンベルク編)