ミニ・レビュー
前作「DADA」から1ヵ月で発表の2011年第2弾シングル。自分ではどうすることもできない歯痒さを綴った歌詞を、憂いを帯びたバンド・サウンドに乗せた楽曲だ。カップリングの「寿限夢」は、三段活用や元素記号の周期表など、語呂合わせの暗記法がちりばめられたユニークな“受験生を応援する歌”。
ガイドコメント
2011年2月発表のシングル。ヒリヒリとした過激な歌詞と圧倒的な演奏に魅了されるタイトル曲ほかを収録。静かに鋭く描きこまれた楽曲の世界観に、これまで以上の中身の濃さと精神性、そして進化し続ける彼らの新境地が伺える。
収録曲
01狭心症
メジャー10thとなる通算13枚目のシングル。やりきれなさを吐露したような薄暗く重いロック・サウンドにもたれかかるように、外的な世界と内的な個人とのジレンマを歌う。劣等感とどうにでもしてくれという痛々しさが伝わるヴォーカルに、胸が詰まる思いだ。
02寿限夢
古典的な落語の噺「寿限無」をモチーフに、なじみ深い各科目の語呂合わせ暗記法をつらつらと綴った受験生応援歌。受験に必要な膨大な知識の羅列を軽やかなグルーヴを敷いたサウンド上で淡々と歌うことで、かえって静かなる切迫感や焦りを生み出しているのが面白い。