ガイドコメント
ロック・バンド、シドの2011年2月発表のアルバム。「one way」「乱舞のメロディ」といったヒット・シングルをはじめ、キャッチーなナンバーが満載。現在の彼らの充実ぶりも感じられる。
収録曲
[Disc 1]
01NO LDK
軽快なグルーヴで展開するミディアム・ロック・チューン。自分の至らない部分を探しながらも恋に終止符を打とうとする男の心境を語る。“至らぬ部分 分母 分子”のフックや、4つ打ちハウスの趣きもあるイントロも印象的だ。
02シェルター
アグレッシヴなギター・リフが先導するアッパー・ロック・チューン。前のめりにグイグイと進むなかで、与えられた自由や痛みをわかってる? と問いかける。守られてばかりのシェルターから出てこいよ、という挑発ソングか。
03cosmetic
僕のルールで二人の間のだらしない愛を彩ってあげるよと告げる、エゴイスティックな恋愛ソング。さりげなく毒を含ませたシニカルな世界観が魅力だ。グルーヴィなギターや太いベースなど、“黒さ”を散りばめたサウンドがファンキー。メジャー7thシングル。
04いいひと
フレンチ・ポップス風の洒落っ気とまろやかな雰囲気をまとった、彼らの作風としては異色といえるナンバー。愛しい人へ“いいひとにならないで”と願うメッセージ・ソングで、ヴォーカルもどこか女性的な肌あたりだ。
05乱舞のメロディ (ALBUM MIX)
テレビ東京系アニメ『BLEACH』オープニングを飾るメジャー8thシングル。アグレッシヴなギターとドラムが風を切り裂くようなアッパー・ビートのロック・チューンで、迫り来る未来へ臆病にならず突き進めと背中を後押しする。
06レイン
雨という情緒的な主題に寄せた、和の風情を感じるサウンドで描くミディアム・ロック。心に募る辛く悲しい思い出を降りしきる雨にたとえた詞世界が印象的だ。アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』オープニングを飾るメジャー6thシングル。
07dog run
ストリングスやホーンを添えた軽快なリズムを刻むソウルフルなサウンドは、60〜70年代のモータウンのヴォーカル・グループあたりの楽曲のようだ。懐かしくも華やかな色彩感あふれる曲で、犬目線での恋を綴っている。
08one way
打ち明けた悩みを一蹴されたのを機に、自ら未来への“片道切符”をつかみにいった苦悩と夢への期待を綴った青春ストーリー。自身の気持ちを押し出すように前へ前へと疾走するビートで展開する。フジテレビ系『ウチくる!?』エンディング起用のメジャー4thシングル。
092月
大空を滑空するような颯爽とした広がりを感じるミディアム・ロック・チューン。ファルセットを駆使した、飾り気のない伸びやかなマオのヴォーカルがスッと耳に溶け込む。二人の“ずっと”が始まる日を歌ったウェディング・ソングだ。
10ワイフ
女性の言葉遣いで綴った、危険な香りを漂わせる背徳ラヴ・ソング。人妻が女になる瞬間を切り取った詞世界を彩る、メルヘンチックな歌謡曲テイストのサウンドの配合が絶妙だ。変化球的だが、その世界観はシドらしさが満載。
11sleep
メジャー5thシングル。ずるい人と知りながらもその魅力にとりつかれ、別れようにも別れられない心境を綴ったミディアム・バラード。色気をにじませた歌唱が切なさを増す、君に包まれた心地よい眠りが後戻りできない恋へと誘う物語だ。
12Sympathy
ライヴ感に満ちたアッパー・ビートのギター・ロック。“変拍子”や“セットリスト”といった句もライヴを意識したものか。弱さを見せ合って共に強くなっていこうと、ストレートに語りかける姿が清々しい。テレビ東京系『SUPER GT+』テーマ・ソング。
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