ガイドコメント
世界的なロック・プリンセス、アヴリル・ラヴィーンの『ベスト・ダム・シング』に続く約4年ぶりの4thアルバム。「ワット・ザ・ヘル」ほかアッパー・トラックから切ないバラードまで、“これまでで最もパーソナルで大切なもの”と語る意欲作だ。
収録曲
[Disc 1]
01BLACK STAR
4thアルバム『グッバイ・ララバイ』のイントロダクションとなる約1分30秒の小品。アヴリルが展開するタイトルと同名の香水をモチーフにした、マジカルでドリーミーなナンバーだ。黒い星(=ユニークな存在)になれると自身を鼓舞するデリック・ウィブリー制作曲。
02WHAT THE HELL
4thアルバム『グッバイ・ララバイ』先行シングルとなった、ポジティヴなパーティ・チューン。“人生ちゃんと生きなきゃなんて、そんなの気にしない!”とあっけらかんと言い切る、アヴリルらしいぶっ飛び感がたまらない。制作はマックス・マーティン&シェルバック。
03PUSH
デリック・ウィブリー(SUM 41)制作のミディアム・チューン。運命で結ばれた関係ならお互いに歩み寄らなきゃと、いらだちを隠せないながらも愛を説く。焦燥を醸し出す歌唱とシンプルなギターの重なりが、どことなく切なさを感じさせる。
04WISH YOU WERE HERE
あなたがいてくれたらどんなにいいかと、ぽっかりと穴が開いたような心境を綴ったミディアム・ロック・バラード。ほろ苦い“Damn、Damn……”からのリフレインは、じくじくとした痛みが感じられる。制作はマックス・マーティン&シェルバック。
05SMILE
まともじゃないアタシがアンタに一目惚れして笑えるほど最高な気分! と歌うマックス・マーティン&シェルバック制作によるハイテンションなパンキッシュ・ロック。ヨーデル風にファルセットを効かせながら歌う“スマイル”には、理屈じゃない喜びに満ちている。
06STOP STANDING THERE
ギターとクラップが先導するアコースティック風な出で立ちのミディアム・ロック・チューン。立ち止まってないで私に気づいてよ、と彼に夢中な女子のトキメキをいたずらっぽく歌う。プロデュースはブッチ・ウォーカー。
07I LOVE YOU
マックス・マーティン&シェルバックによるシンプルなギターが印象的なミッド。マイナー調で口ずさむ“ララ、ララララ”や繰り返される“I Love You”の優しいフレーズに、大らかな母性をうかがわせる。アラニス・モリセット風の飾り気のないラヴ・ソングだ。
08EVERYBODY HURTS
誰もが傷つき叫ぶこともあるってわかった。でも、大丈夫……と自らに言い聞かせる姿は、痛々しくも悲しげだ。晴れ間なく雲が覆った空のような憂鬱さを帯びるメロディ・ラインがはかなげで美しい、デリック・ウィブリー(SUM 41)制作のミディアム・ロック。
09NOT ENOUGH
軽快なギターが進むなかで語られるのは、愛の終焉。こんな関係のままじゃ満足できないのと恋人との別れを告げる、もの憂げなムードが印象的なミッド。制作は元夫のデリック・ウィブリー(SUM 41)だが、音楽的パートナーシップと相性の良さは健在だ。
104 REAL
アヴリル・ラヴィーン自身のプロデュースによるセンチメンタルなナンバー。あなたがいるだけで心が穏やかになれるという、ひとつずつ確かめるように吐露する歌唱が印象的だ。安堵の表情がうかがえる郷愁的なサウンドも魅力。
11DARLIN'
デリック・ウィブリー(SUM 41)制作の、シンプルなギターで紡がれる大切な人への愛の歌。辛さに負けて臆病になっている愛しい人へ、幸せを祈るから涙を拭って顔を上げてと優しく問いかける。声をしっかりと届ける歌唱が出色。
12ALICE
映画『アリス・イン・ワンダーランド』へ書き下ろしたブッチ・ウォーカー制作曲のリミックス版。どんな苦境に立たされても生き残ってみせるという強い意志は、時にビョークを思わせる、まっすぐ前を見据えた歌唱にも表われている。生命力に富んだナンバーだ。
13REMEMBER WHEN
愛の終焉を綴ったミディアム・バラード。穏やかな鍵盤やストリングスを背景に、もう元には戻れない悲しみやもどかしさを歌う。エモーショナルなクライマックスには、すべてはこれも人生と受け止める力強さが伝わってくる。制作はデリック・ウィブリー(SUM 41)。
14GOODBYE
アヴリル・ラヴィーンのセルフ・プロデュースによるドリーミーなナンバー。ストリングスを大胆にフィーチャーした作風は、幻想的なおとぎ話の世界観。愛しい人に別れを告げる複雑な心境を描いた、心を丸裸にして歌う悲しき“ララバイ”だ。
15WHAT THE HELL
16PUSH
17WISH YOU WERE HERE
18KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR
4thアルバム『グッバイ・ララバイ』日本盤にボーナス収録されたボブ・ディランのカヴァー。シンプルなギターとパーカッションを添えただけの、生々しいアコースティック・ナンバーだ。安堵と憂鬱が入り交じった“ノック、ノック……”のリフレインが耳を奪う。
19BAD REPUTATION
[Disc 2]〈DVD〉メイキング・オブ・グッバイ・ララバイ(レコーディング風景,アルバム・カバー写真撮影風景,インタビュー等)