ミニ・レビュー
3作目にして初のオリジナル・アルバムは、チームごと、選抜ユニットごとの新曲の中に、それぞれのキャラクターを活かした独自の“色”を見ることができる。清楚、キュート、セクシー、元気……などのその“色”は、納得もあれば、発見もあり、AKB48らしく王道と攻めの両方がそこには存在する。★
ガイドコメント
2011年6月リリースの初のオリジナル・アルバム。「ポニーテールとシュシュ」「ヘビーローテーション」「Beginner」「チャンスの順番」「ここにいたこと」などを収録。
収録曲
[Disc 1]
01少女たちよ
彼女たちの日常を描いた映画『DOCUMENTARY of AKB48〜』主題歌にふさわしい、爽やかで甘酸っぱいアッパー・ポップ。何事もあきらめずに全力で走るんだ! と自分たちを励ます“少女たちよ〜”から始まるコーラスは、秋元康からのメッセージともいえる。
02Overtake
キラキラと輝く青春歌謡ポップ風のアレンジが印象的な、第3回選抜総選挙でのチームAテーマ曲。“選抜メンバーもれて嘆くより〜努力しかないんだ ”と励ましながらも油断したら追い抜くぞとハッパをかけて、部活や芸能界で勝ち残るのは甘くないと厳しく教えている。
03僕にできること
第3回選抜総選挙チームKのテーマで、夏の青空のように清々しい開放感たっぷりのポップ・チューン。“WOW WOW〜”の明るいコーラスとともに世界を一つの家族にしようというピースフルなメッセージを伝える。日本赤十字社「2011年赤十字運動月間」CMソング。
04恋愛サーカス
チームBによるコミカルでマジカルなポップ・チューン。次はどんな展開になるか手に汗握る、驚きと感動の連続……恋愛はまるでサーカスみたいだと歌う。ガールズトーク風のセリフや動物の声マネなど、本人たちも楽しんでいる様子が伝わってくる。
05風の行方
大島優子・高橋みなみ・柏木由紀ら6人が、別れて時が過ぎ、君の笑顔に癒されていたことを実感する男の寂しさを歌う。夏の終わりを思わせるちょっぴり切ないメロディ・ラインがじんわりと沁みてくる。胸にチクリと刺さるような、甘酸っぱいポップ・チューンだ。
06わがままコレクション
多田愛佳・渡辺麻友・松井珠理奈ら6人によるチャーミングなポップ・ナンバー。年下という立場を利用して、アレもコレもリクエスト聞いて! と甘え放題の女の子を演じている。あなたの可愛い妹にしてとねだる“お兄ちゃんコレクション”のフレーズは、抜群の萌え度だ。
07人魚のバカンス
高城亜樹・河西智美・横山由依ら7人によるボッサ風アレンジが涼しげなナンバー。日常の喧噪を忘れて、時には誰からも忘れられたひとときを過ごしたいという願望を歌う。避暑地でのバカンスのような、まろやかで優しいヴォーカルも涼を運んでくれる。
08君と僕の関係
前田敦子と板野友美のコンビによるナンバー。板野ソロ曲寄りのエレクトロ・ポップだが、クールよりもポップを重視している。誰かに恋している君に呼び出される“つなぎ役”でも、僕は幸せだ……という男子の悲しく切ない物語だ。
09イイカゲンのススメ
篠田麻里子・小嶋陽菜・宮澤佐江・秋元才加ら6人による、甘酸っぱさとセンチメンタルが同居する展開が魅力のアッパー・ポップ。今日以降の“いつも新しい難問”を乗り越えるためには、イイカゲンくらいがちょうどいいと説く。壁にぶつかった人へ送る励ましの歌だ。
10High school days
チーム研究生による爽やかなアイドル・ポップ。今年こそは君との思い出を作る季節にしたいと願う男子の心情を綴る。フレッシュな“High school days〜”のコーラスには、はかなくも美しい青春ならではの甘酸っぱさが詰まっている。
11チームB推し
各メンバーのニックネームを組み込んだ“あなたは今日で○○推し”のフレーズで展開するチームB賛歌。私たちどうですか? と問いかけながら、大勢いると迷うからチームBの誰かを応援してとアピール。ファンとの交流を大切にする彼女らならではのノリノリのアップだ。
12チャンスの順番
シングル選抜じゃんけん大会における16位以内のメンバーで構成された19thシングル。「誰にもチャンスはある」のキャッチコピーどおり、努力はきっと報われるという励ましのメッセージを込めたアッパー・ポップだ。
13Beginner
エレクトロやヒップホップの要素も組み込んだ、ハードボイルドなテイストで送る18thシングル。恐れずにまっさらなビギナーで行けと言い放つのは、素人同然の彼女らがスターダムへ駆け上った信念からか。“僕らは夢見てるか?”と問う刺激的なメッセージ・ソングだ。
14ポニーテールとシュシュ
クラスメイトへの片想いを綴ったビタースウィートな青春ポップ。澄み切った青空のような清々しいサウンドは、想いを募らせる男子に無邪気に微笑む女子を見事に描写している。「ポニーテール、似合ってる?」の素知らぬふりは、胸にチクリとほろ苦い。
15ヘビーローテーション
恋すると頭の中は好きな人のことばかり……という状況を、同じ曲を繰り返し流す=“ヘビーローテーション”と表現。“I Want You〜”のコーラスが印象的なキャッチーなポップ・ロックだ。ランジェリー姿のPVも話題となった17thシングル。
16ここにいたこと
オリジナルとしては初となるアルバム『ここにいたこと』の表題曲。AKB48をはじめ、SKE48・SDN48・NMB48と関連メンバー総勢192名が参加。今の仲間との思い出を忘れずに生きていこうと綴る、合唱曲風アレンジのピュアなナンバーだ。
[Disc 2]〈DVD〉〈振り付け映像〉
01ポニーテールとシュシュ
02ヘビーローテーション
03Beginner
04チャンスの順番