ミニ・レビュー
「歌は問いかけ、歌は記憶」。古今和洋東西、世の中と暮らしの交わりの中から生まれたテキストに作曲された自作に、ワイル、ケージ、フェルドマン。高橋がこだわり、関心を寄せてきた歌のかたち音の姿が凝縮された、素にして親密、含意に満ちたソングブック。波多野の声がさらり世界を映し出す。
ガイドコメント
独自の世界を切り開く、ピアニストの波多野睦美とメゾ・ソプラノの高橋悠治。異色のコンビによる2作目は高橋の作品を中心に、近現代作で構成されている。波多野の表現力の深さに高橋の絶妙なピアノが絡む充実の内容。
収録曲
01民衆に訴える (高橋悠治)
0218の春のすてきな未亡人 (ジョン・ケージ)
03「水牛」の歌 (高橋悠治)
04オンリー (フェルドマン)
05夜の時間 (高橋悠治)
06殉難塔-墓碑銘1919年 (クルト・ヴァイル)
07溺れた少女のバラード (クルト・ヴァイル)
08オフィーリア (高橋鮎生)
09オフィーリア (ピアノ・ソロ) (ジョン・ケージ)
10ユーカリ (クルト・ヴァイル)
11長谷川四郎の猫の歌 (高橋悠治)
12パレスチナの子どもの神さまへのてがみ (高橋悠治)
13妾八童唱抄 (高橋悠治)
14世界でいちばん大きな木の歌 (高橋悠治)
15だるまさん千字文 (高橋悠治)
演奏
波多野睦美(MS) 高橋悠治(P) クリストファー・ハーディ(PERC)