ミニ・レビュー
KARAとともにK-POPシーンの中核をなす9人組の日本初のオリジナル・アルバム。非の打ちどころがないスタイルや洗練されたパフォーマンスに注目が集まりがちだが、楽曲のクオリティやヴォーカリストとしてのポテンシャルの高さにあらためて脱帽させられる。「GENIE」「Gee」「MR.TAXI」などのシングルも一挙収録。
ガイドコメント
アジア各国でも旋風を巻き起こしたK-POPアイドル・グループ“ソニョシデ”の日本1stアルバム。美脚ダンスやキュートな歌唱で快進撃を続ける、彼女らのヒット・シングル「Gee」「GENIE」「MR.TAXI」らを含む12曲を収録。
収録曲
01MR.TAXI
日本3rdシングル。世界を席巻するニュー・スタイル(=私たち)について来られる? と挑発するクラブ・バンギン。クールな面持ちで煽る“Mr.Taxi、Taxi……相当ズクシ、ズクシ……”のキャッチーなフックは中毒必至だ。
02GENIE
日本デビュー・シングル。願いを叶えてあげると迫る、アラジンの魔法のランプ風の世界観が魅力のエレクトロ・ポップだ。“お呼びですか〜?”のフレーズや“ツジチュマ”の発音には微笑んでしまうが、瞬時にロマンティックなムードに引き込む魔力を備えた女性上位曲。
03you-aholic
STYが制作に参加した、バキバキとした冷淡な音色が特長のテクノ・ポップ。重厚なボトムを敷いたフューチャリスティックなサウンドのなかでヴォーカル・エフェクトを駆使しながら、相手にハマってしまった恋心を“holic=中毒”と吐露する。
04Run Devil Run
「MR.TAXI」と両A面の日本第3弾シングル。クール・ブラックにイメチェンして、浮気男に強烈なサヨナラを突きつけるクラブ・チューンだ。“なんでもそうじゃん 口だけじゃん”と呆れ返られた後には革命的制裁が待っているという、男には耳の痛いストーリー。
05BAD GIRL
アグレッシヴなビートが走る、ドラマティックなクラブ・エレクトロ。タイトルの“BAD”は、もちろん“最高の”(女)という意味。何がお望みかしら? と誘惑しながら、“すぐに虜になる”という強気なツンデレ態度に、男はもちろんノックアウトだ。
06Beautiful Stranger
Dreamlab制作の這うようなヘヴィなボトムがスリリングな空気を生むクラブ・チューン。恋愛をリスキーなビジネスと捉えながら、ポーカーフェイスな男に狙いを定めて“賭けてみてもいいわ”と詰め寄るハードコアなラヴ・アフェアを描く。
07I'm In Love With The HERO
ドラマの世界からリアルなストーリーへ。不器用で無防備なキミが私が独り占めするヒーローなの! と密かなラヴ・ロマンスを歌う。マーチング・バンド風アレンジと天高く駈けあがる気流を想起させる高揚的なサウンドの融合が爽快に響く、エレクトロなダンス・チューン。
08Let It Rain
ロバート・ハボリン制作によるミディアム・クラブ・エレクトロ。止まない雨が二人の心に叩きつける……別れを受け入れるしかない状況を悲痛な思いで切々と歌う。抑揚の激しいメロディが心の動揺を描き、ダークな色合いが胸を突く。
09Gee
開閉脚ダンスも話題の日本デビュー第2弾シングル。“まぁ、びっくり”を意味する“Gee Gee Gee Gee〜”のフックと恋に落ちたトキメキを描いたふんわり甘酸っぱいサウンドが何とも乙女チック。ガールズトークを抜群の萌え度で再現した刺激的なアップだ。
10THE GREAT ESCAPE
グイグイと進むエネルギッシュなビートとともに展開する、スケールの大きいダンサブルなアップ。手遅れになる前にここを抜け出すのよと、夢に戸惑い身動きできない人へ手を差し伸べてくれる。“逃げ”は決してネガティヴじゃないと、鮮やかヴォーカルで勇気づける。
11HOOT
ほかの娘に目移りする恋人への不満を吐露したポップ・ナンバー。私を愛して! 胸を撃ち抜いて! という気持ちを、“ラヴ・ミー!シュート!シュート!シュート!”というキャッチーなフックとガンマンが登場しそうな西部劇風アレンジのサウンドでコケティッシュに描く。
12BORN TO BE A LADY
Dreamlab制作のアーシーなクラブ・ミッド。ガールズトークな詞世界が多い彼女たちだが、ここでは女性に生まれた意味と愛についてしおらしく語る。ホープフルなムードのなかでの伸びやかなヴォーカルが印象的だ。