ガイドコメント
自身や母親の誕生日、さらには結婚記念日でもある数字を冠した、ソロ4作目となるアルバム。女性の権利拡大をテーマに、全世界女子代表として新たな変革を掲げる。ザ・ドリームらが参加した、メッセージ色の強い攻撃的でスリリングなナンバーを満載。
収録曲
011 + 1
ザ・ドリーム&トリッキー・ステュワートとの共作によるシンプルなミディアム・スロー・バラード。派手な飾りを極力排して、ビヨンセの泰然自若な歌唱を刻々と伝えるメッセージ・ソングだ。混迷する世界だからこそ二人には愛が必要と説く。
02I CARE
時間が経って気にもかけてもらえない状況を嘆いた、ジェフ・バスカー&ビヨンセ制作のソウルフルなミッド。傷つき泣かされながら、私には大切なことなのと叫ぶビヨンセに心が痛む。重苦しさを飛ばす“ラララ…”のバック・コーラスが救いだ。
03I MISS YOU
ゆったりとした漂流感を醸し出すシンセ風サウンドが覆うソウルフルなミディアム・スロー。いつもあなたのことが恋しくて仕方ないという心境を吐露したラヴ・ソングだ。女性のしなやかさをさりげなく押し出したビヨンセの歌唱が秀逸。制作はシェイ・テイラーとの共作。
04BEST THING I NEVER HAD
ベイビーフェイス、アントニオ・ディクソン、シェイ・テイラーらとの共作による『4』からの2ndシングル。メッキが剥がれた最低男に別れを切り出し、私のような最高の女は二度と手に入らないわと言い放つ。豊かな表情を持った旋律と歌唱が女性の力強さを示している。
05PARTY
アンドレ3000を迎えた、カニエ・ウェストとの主制作によるミッド・スロー。ダグ・E・フレッシュ一味の「ラ・ディ・ダ・ディ」を下敷きに、運命の夜の興奮を歌う。“パーティー”とはいえ、ここでは雰囲気あるスムース&メロウなテンポで紳士淑女的に振る舞う。
06RATHER DIE YOUNG
あなたといられないなら早死にした方がマシと想いをほとばしらせるミディアム・ラヴ・バラード。上質な名画のような面影とムードに包まれるなか、愛を捧げたい一心をソウルフルに歌いあげる。主制作はジェフ・バスカー、ビヨンセとルーク・スティールの共同制作。
07START OVER
シェイ・テイラーとの共作によるドラマティックなミッド。崩れそうな関係を前に「やり直そう」と問いかける歌唱はパワフルでソウルフル。倦怠期を憂う歌だが、ビヨンセの「私たちは頂点を極めてしまった」の嘆きは、さすがセレブといったところ。
08LOVE ON TOP
私の愛を何よりも受け入れてくれた相手への至上の愛を誓うラヴリーなナンバー。シェイ・テイラーとの共作による60年代ソウル・ポップスの薫り漂うサウンドに乗せ、思わず顔がほころぶ嬉しい気持ちを高らかに歌う。こちらにも楽しさが伝わってくるようだ。
09COUNTDOWN
愛する人は彼だけというド直球なラヴ・メッセージを、シンプルなバラードでなく、陽気なカリビアンのメロディで描いたシェイ・テイラーとの共作。“カウントダウン”はボーイズ・II・メン「ウー・アー」を借用。微笑ましいお祭り的な味わいだ。
10END OF TIME
スウィッチのサポートも加わったザ・ドリームとの共作曲。マーチングバンド風のパーカッシヴなトラックをバックに、世界の終わりまで愛し抜くと誓う。公私の好調さがうかがえるビヨンセの自信に満ちた歌唱は、貫禄の一言に尽きる。
11I WAS HERE
ダイアン・ウォーレンがペンを握った、ライアン・テダー&ブレント・クツェル制作のミディアム・バラード。重厚なムードのなかで自分の足跡を残したいと語るが、その生きている証を知らしめたいという情念にも似た強い想いが、歌唱からもヒシヒシと伝わってくる。
12RUN THE WORLD (GIRLS)
女性が世界を牛耳る! と高らかに宣言するウーマンズ・アンセム。メジャー・レザー「ポン・デ・フロア」を下敷きにしたパーカッシヴな民族調トラックに仕立てた中心は、スウィッチ&ザ・ドリーム。刺激的でエキセントリックな、アルバム『4』のリード・シングルだ。
13DREAMING
ベイビーフェイス、アントニオ・ディクソンとの共作による、あなたの夢が私の居場所と告げるミディアム・ポップ。鍵盤を添えたメロディアスな曲調はベイビーフェイス色が強いが、ビヨンセの歌唱につられるようにアウトロは力強いスタジアム・ロック風。