ミニ・レビュー
米カンザス出身のヴェテラン・バンドが、74年のデビューから83年までにEPICへ残した10タイトルが再発。いずれも最新DSDマスタリングが施され、紙ジャケ&Blu-spec CD仕様となっており、79年作『モノリスの謎』までの6枚のスタジオ作には、ライヴ・ヴァージョンやデモ・テイクといったボーナス・トラックが追加収録。ライヴ作『偉大なる聴衆へ』は、2枚組拡張版をオリジナルのパッケージに収める。 英国プログレから多大な影響を受けたそのサウンドは、ハード・ロックのダイナミズムとクラシカルな叙情、キャッチーなメロディ使いと壮大で複雑なアレンジを見事に同居させ、米南部産らしい泥臭さも持ち合わせていた。しかし80年の看板シンガー脱退以降、よりシンプルなハード・ポップへとシフト−−そんな挑戦と栄光と葛藤と迷走の軌跡が、この10作で俯瞰できる。
ガイドコメント
ボストンやスティックスなどと共にアメリカン・プログレ・ハードの雄と呼ばれたカンサスの、1974年発表のデビュー・アルバム。新たなプログレのスター・バンドとしての萌芽が充分に感じられる作品。
収録曲
01CAN I TELL YOU
02BRINGING IT BACK
03LONELY WIND
04BELEXES
05JOURNEY FROM MARIABRONN
06THE PILGRIMAGE
07アパージュ
08DEATH OF MOTHER NATURE SUITE
09BRINGING IT BACK
10CAN I TELL YOU