ミニ・レビュー
2012年2月のアリーナ・ツアーをもって解散を発表した東京事変、最後のオリジナル・アルバム。メンバーが書き下ろした新曲を1曲ずつ持ち寄った5曲を収録。赤プリなき後の紀尾井町、用なしとなった溜池山王八番出口が登場する椎名林檎作の「今夜はから騒ぎ」は、変わりゆく東京へのオマージュか。
ガイドコメント
2012年1月18日リリースのミニ・アルバム。“大発見”を制作コンセプトにした前作『大発見』から、約半年ほどでさらなるクリエイティヴィティをみせつける。メンバーそれぞれが五人五様に書き下ろした個性的な新曲を持ち寄った、全5曲収録の期待作だ。
収録曲
01今夜はから騒ぎ
メンバー全員が作った楽曲をそれぞれ1曲づつ持ち寄った5曲入りのアルバム『color bars』の冒頭曲。椎名林檎が作詞作曲を手がけた、ハモンドオルガン風の鍵盤音がジャジィなエッセンスを注入する、軽快でスタイリッシュなポップ・ソングだ。
02怪ホラーダスト
キーボードとヴォーカルを務める伊澤一葉の作詞作曲による、本人がメイン・ヴォーカルをとった疾走感あふれるロック・チューン。ノイジーなギター・サウンドと畳み掛けるような鍵盤音……。ダイナミックな曲展開にシビれること必至。
03タイムカプセル
亀田誠治が詞曲を手がけた、しっとりとしたピアノの音色をメインにした穏やかなバラード。ほかの収録曲は言葉遊びや意味深なフレーズをちりばめてあるが、この曲だけはシンプルかつストレートな歌詞だ。椎名林檎の切々とした歌声が心に残る。
04sa i ta
浮雲の作曲によるハウスやR&Bの要素を取り入れたスタイリッシュなロック・チューン。気だるそうだったりいたずらっ子のようにささやくようだったりと表情をクルクルと変える椎名林檎のヴォーカルの魅力全開! スリリングな展開にゾクゾク。
05ほんとのところ
刄田綴色が詞曲を手がけたナンバー。ユーモアをたたえたメロディでありながら、歌詞はとてつもなくダーク。人懐っこいロック・サウンドにエモーショナルなヴォーカルを乗せた、緊張感あふれるロック・チューンだ。