ミニ・レビュー
アルバム・デビュー25周年記念アルバムだそうだ。そうした記念に小品集を録音するところがニクイ。さまざまな性格の曲を的確に捉える技が冴えている。まずは弱音の表情の多彩さ、微妙な陰影のグラデーションの見事さに目を瞠る。表現の何たるかを熟知している者だけが魅せる演奏といえるだろう。★
ガイドコメント
小山実稚恵のアルバム・デビュー25周年記念盤。得意としているロシア作品のレパートリーに加え、J.S.バッハ「平均律クラヴィーア」といった彼女にとって初録音となる曲などを収録。まるで一晩のリサイタルのような充実の内容だ。
収録曲
01ソナタ嬰ハ短調K.247 (D.スカルラッティ)
02ヴォカリーズ (ラフマニノフ)
03前奏曲集第1巻〜第8曲 亜麻色の髪の乙女 (ドビュッシー)
043つの演奏会用練習曲〜第3番変ニ長調 ため息 (リスト)
05ベルガマスク組曲〜第3曲 月の光 (ドビュッシー)
06練習曲嬰ハ短調op.42-5 (スクリャービン)
07間奏曲嬰ハ短調op.117-3 (ブラームス)
083つの小品〜第1曲 練習曲嬰ハ短調op.2-1 (スクリャービン)
09間奏曲イ長調op.118-2 (ブラームス)
10「森の情景」op.82〜第7曲 予言の鳥 (シューマン)
11前奏曲op.1-7 (シマノフスキ)
12「スペイン舞曲集」op.37〜第12曲 アラベスカ (グラナドス)
13「四季」op.37b〜第6曲 6月 舟歌 (チャイコフスキー)
14献呈 (シューマン/リスト編)
15平均律クラヴィーア曲集第1巻〜第4番嬰ハ短調BWV849〜前奏曲 (J.S.バッハ)
16平均律クラヴィーア曲集第1巻〜第4番嬰ハ短調BWV849〜フーガ (J.S.バッハ)