ミニ・レビュー
5曲のシングルを含む、男性アイドル・グループのアルバム。ダンサブルなナンバーからスタイリッシュなバラードまで、それぞれの個性が生きるソロ・ナンバーを交えたハイクオリティなポップ・チューンが目白押しの全17曲収録。清々しいほどの勢いの中に貫禄すら感じられる堂々のパフォーマンスは圧巻だ。
ガイドコメント
2012年2月22日リリースの6枚目となるアルバム。「CHANGE UR WORLD」「ULTIMATE WHEELS」「WHITE」「RUN FOR YOU」「BIRTH」といったヒット・シングルを含む、全17曲を収録。
収録曲
01LOCK ON
6枚目のアルバム『CHAIN』の冒頭を飾るハードなナンバー。住む世界が異なる君に“LOCK ON”、力づくでも振り向かせてみせると歌う。自信と決心に満ちた力強くがなるヴォーカルに、セクシーな魅力を感じさせる。
02ONE DAY
グイグイと進むイーブン・キックのビートにのせてシンセサイザーを配した未来的なサウンドが踊るスタイリッシュなアップ。“YOU!YOU!YOU!”のコーラスが映えるサビから、一気に表情を変えるブリッジにハっとさせられる。
03BIRTH
亀梨和也主演の日本テレビ系ドラマ『妖怪人間ベム』主題歌のアップ・テンポのナンバー。ネイサン・イーストをはじめとしたジャズ/フュージョン系の一流アーティストが奏でる圧倒的なグル-ヴと歌謡曲の香りを感じさせるメロディの融合が楽しい。
04ULTIMATE WHEELS
ストリングスを効果的に配した重厚感のあるロック・サウンドにのせて仲間との絆を歌う14thシングル。メンバー出演のSUZUKI「ソリオ」CMソングでもあり、絆(=輪)を“WHEELS”と表現するなど、車にちなんだ単語が散りばめられている。
05FINALE
6thアルバム『CHAIN』に収録の田口淳之介のソロ・ナンバー。アコースティック・ギターのアルペジオとエレクトロなサウンドを巧みに融合させたR&Bで、自らも作詞曲に参加。ヴォコーダーを駆使したコーラスで畳み掛けるサビがクール。
06STEP BY STEP
6thアルバム『CHAIN』に収録の中丸雄一のソロ・ナンバー。4つ打ちのビートを軸に洗練されたサウンドが絡むアッパー・ダンサーで、ハイトーンかつスウィートな歌声を持つ中丸の魅力を存分に活かすメロディ・ラインが肝。
07RUN FOR YOU
「ULTIMATE WHEELS」に続きSUZUKI「ソリオ」CMソングとなった16thシングル。“RUN,RUN,RUN,RUN RUN FOR YOU”のポップなサビが印象的だが、曲全体を覆うのはむしろハードなテイストだ。
08あの日のように
やわらかなストリングスやピアノの音色が心にじんわりと染みこむドリーミーなミディアム・ナンバー。“JOKER”こと田中聖が手がけたラップや各メンバーのフェイクが自由自在に絡み合う、ラストのサビの心地よさは秀逸。
09ずっと
アルバム『CHAIN』収録の亀梨和也のソロ・ナンバーはドラマティックなバラード。世界でたったひとりの君と巡り会えた喜びを噛みしめつつ、“夜が明けても離さない”と甘く歌い上げる姿に胸を鷲づかみにされる。二人の高まる鼓動のようなビートもいいスパイス。
10SMILE FOR YOU
ごく短くカットしたトラックを巧みに組み合わせて独特なテンポ感を作り上げるアップ・チューン。テクニカルなサウンドとは裏腹に心地よく伸びるメロディにのせ、つらい時はいつでもとなりにいるから、いつまでも笑ってと優しく語りかける。
11儚い指先
冒頭を飾るハープの切なげな音色が曲の表情を決定づけるミディアム・アップ。悲しい記憶に心を閉ざす悲しげな君に、叶わぬ思いと知りながらも“愛していい?”と語りかける。優しく包み込むような繊細なヴォーカルが映える。
12〜again
上田竜也自らが作詞を担当したソロ・ナンバー。作曲は上田のソロ・コンサート時のバンド、MOUSE PEACE のギタリストでもあるMasamiが手がけており、歌謡曲のテイストも感じさせるどこか懐かしいメロディが印象的だ。
13CHANGE UR WORLD
ヘヴィ・メタル風の意表を突いたイントロから、ハードなテイストを軸にさまざまな変化をみせる13thシングル。何もかも脱ぎ捨てて、飛べるだけ飛べばいいさと力強く背中を押してくれる。“JOKER”作詞のハイスピードなラップもぴったり。
14DANGEROUS CAT〜MAKE ME WET〜
“JOKER”こと田中聖自らが作詞を手がけた6thアルバム『CHAIN』に収録のソロ・ナンバー。とびきりセクシーで高飛車な女を猫に、そして彼女にむらがる男たちを犬にたとえた本格派ヒップホップで、キワどい歌詞の連発が爽快。
15歩道橋
イワツボコーダイが手がけた、ちょっぴり切なくあたたかなミディアム・バラード。“歩道橋の上で君の家の方角を眺める”だけでも幸せだった君との思い出を頭の中に描き、まだ少し痛む傷を噛みしめながらもしっかりと前を向く姿が微笑ましい。
16WHITE
花王「ソフィーナ 大人の美白」CMソングの15thシングル。KAT-TUNの真骨頂ともいえるロック・テイストを前面に押し出したアップ・チューンで、爽快に走るサウンドと切ないメロディ・ラインにのせて淡い恋心を歌う。
17SOLDIER
荒涼とした大地を一歩一歩進んでいくかのような、強い生命力と意志を感じさせるビートで進むミディアム・アップ。果てない夢に立ち向かっていく姿を“戦士(=SOLDIER)”にたとえ、仲間との絆と揺るぎない信念を歌い上げる。