ミニ・レビュー
結成7年目に放った松田知大(WRENCH)が加入してからの初作。スタジオ録音の新曲3曲と新編成のお披露目ステージになった2011年6月のライヴ9曲で構成された。ラウドながらポストロックのニュアンスの耽美な音像でのドラマティックな曲だが、存在感十分のベースが前に押し進めている。
ガイドコメント
新曲3曲にライヴ音源9曲を収めたteのEP。ベーシストが変わってバンドに化学変化が起こったようで、シンセが大胆に導入されるなど新たなスタイルが随所で楽しめる。ライヴは新体制のお披露目となった渋谷QUATTROの演奏を収録。
収録曲
01音の中の「痙攣的」な美は、観念を超え肉体に訪れる野生の戦慄。
02「反復」は時間観を撹拌し、思惟の歩をゆるめ涅槃の郷愁を誘う。
03俯瞰も仰視も果ては茫洋な空に対峙す、その偉観こそ真の「現実」
〈2011/6/25 LIVE@SHIBUYA CLUB QUATTRO〉
04人間は自由なものとして生まれ、至る所で「鎖」に繋がれてゆく。
05如何に強大な精神や力といえども知性なくしては「無」に等しい。
06天涯万里、必然を起こすは人に在り、偶然を成すは「天」に在り。
07いつも好転する未来を望み、しかし時節の変化は「恐」れている。
08思想とは我々の選ぶものを見せず、我々の好むものを「見」せる。
09沈黙中の表情にこそ、言葉選びに勝る本当の雄弁が「存在」する。
10夢とは現実という平凡なものに付ける美しさに似た「嘘」の俗称。
11言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に「過」ぎぬ。
12我々は希望に従って約束をし、恐怖にかられて約束を「果」たす。